クリーデンスくんを手当てする

※♂主 、近親相姦まがい



めそめそと二段ベッドの一段目で小さくなって泣く彼を発見してため息をついた。
名前を呼ぶと息を詰める彼が目に入り、ドアを閉めてベッドに近寄った。
軋む音が重い。
後ろから彼の手元を覗き込むと、その手はベルトを強く握りしめていた。
一度、ベッドから降りて部屋を出る。
姉が居間で編み物をしているところを通ると、ちらりと意味ありそうな目線を受けた。
俺の姉さん。
目当てのものを持って部屋に戻ると、彼はベルトを置き何処かを見つめていた。

「クリーデンス」

今度はその瞳が俺を捉えるためにこちらを向いた。
ぎしり、歯軋りのような音。
違うだろ、その色を向ける相手は俺じゃないだろ。
「クリーデンス」
傷つけられ、痛々しく腫れ上がった右手を開かせ、直接消毒液をかける。
「……っい、」
ばしゃばしゃと振りかけ、乾かすために息を吹きかけた。
「ぃたぃよ……っふ、うぅ」
ぎゅっと目を瞑った。
包帯がなかったので布切れを代用する。
きつめに巻き付けると、彼は大仰に肩を揺らした。
「うるさい」
「っ……ごめんねごめん、」
ぐずぐずと謝る彼にぴったりと身を寄せる。
何時もとは違う俺の行動に彼は戸惑った様子だった。
俺だって乱暴なことはしたくない。
でも、何故だか一緒にいると手が出てしまうのだ。2人とも痛いことは嫌なのに。
身体をくっつけて、頬擦りする。
「ね、ぇ……ど、どうしたの……?」
「……何でもない」
居心地悪そうにした彼は、緊張したようにその白い手で俺の頭を抱えた。
そして、ゆっくりとやさしく頭を撫でられた。
「痛いよな、いつもごめん」
「名前のは……お母さんとは違うよ。……いたいのはそのときだけ」
「お前は何ひとつ謝る必要がないのに」
「僕は…変人で、悪い子……だから」
彼の瞳は悲しみを灯していた。
さっきの目とは違う。胸を締め付けられるような縋るような目。

「名前」

俺が口を開こうとしたところでドアがノックされ、名前を呼ばれた。
俺は一言返事をすると、彼に預けていた身を離した。







「姉さん」
「名前で呼んで」
するり、と彼女の腕が俺の首に絡んだ。

「チャスティティ……大丈夫だよ、俺は裏切らない」

俺は血の繋がった姉とキスを交わす。
どっちがどっちかわからなくなるくらいに舌も唾液も絡め合う。
唇を離すと銀の糸が繋がっていて忌々しい。
俺は、彼女の口元を拭ってやると、もう一度触れるだけのキスをした。

「なんであの子にやさしくするの」
「なんでって……兄弟だからだよ」
「私以外にやさしくしないで…お願い」

俺は今日も姉さんに嘘を吐いた。

「俺の愛しい人はチャスティティだけだよ」
クリーデンス、お願い。
俺を助けて、


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