SとM。
 

※R-15くらいかもしれない



最近可愛い恋人が出来ました。
可愛いといってもがっつり男で名前も藤峰竜也と男らしい。
男だけど俺より背が低くて女の子並みに可愛い!なんてことはなくて
俺より背は低いが柔道をやっているのでガタイは良く、どう頑張っても女の子には見えやしない。おまけに可愛いわけでもない。



元々ノンケの俺がなんで彼と付き合うことになったかというと
頬を赤らめ目に涙を溜めずっと俺が好きだったと告白してくる彼がとても愛らしく見え

不覚にもキュンとときめいてしまい思わず頷いてしまっていた。

そんな単純な思考で付き合い出したが今ではそんな彼にめろめろで、とってもラブラブバカップルです。



ただ最近少し悩みがあってーー……。



「エッチがしたい……!」

「最低なので死んでどうぞ」

にっこりと効果音でも付きそうな笑顔で答える友人の瑛一。
死ねと言われてしまったが俺は続けた。



「だって今まで遊んできたセフレ全部切ったんだよ!欲求不満にもなるでしょ!!」
「知るか!」


頭はちゃらんぽらんだけど見た目はそこそこいい俺は、今まで女の子を切らしたことはなかったし遊び相手も沢山いた。
だけどなんか、竜ちゃんと付き合い出してからはそういうことをしていてはいけない気がして全て切った。


竜ちゃん以外とシテいないし、肝心の竜ちゃんともシテいないつまりは誰ともシテないわけで。



「もう1ヶ月以上もシテない!!」
「うるっせぇ!!」
「だって……だってさぁ……」


こんなに誰ともシナいのは久しぶりで、逆に枯れそうだ。

瑛一との別れ際、あまり溜め込まず本人に言うように言われた。

しかしそうはいってももう溜まりに溜まっているのだ……!


もうこれ以上我慢してたら爆発しそう!そう思ってた矢先の出来事だったーー……。




「え、ごめん竜ちゃんなんて言ったの?」

「だから、その……今日、うちに来ないかって……」


お誘いキターーーー!!

それは竜ちゃんとの下校途中のことでまさか竜ちゃんからお誘いしてもらえると思ってはいなかったので俺は動揺してしまっていた。


「いや、か?」

コテンと可愛らしく首を傾げながら不安気に俺の顔を覗き込んでくる。


「いやいやいやいや、行く行く!超行く!めっちゃ行きたい!」


そう早口でまくしたてると、竜ちゃんはよかったとホッとしたとても可愛らしい笑顔を浮かべた。


かっわいい!早く押し倒してセックスしたい……!






…………そう思っていたのに、なんでこんなことになってんの!!



状況を簡単に説明すると、竜ちゃんの部屋に着くと同時に噛み付くようにキスをされ随分積極的だなぁなんてぼんやりと考えてるうちに
いつの間にか腕を縛られベッドに押し倒され現在に至るというわけです。



「ね、ねぇ、竜ちゃん、なんで俺が押し倒されてるの?」
「?」


そう問えば竜ちゃんは俺が押し倒されてるのが当たり前だろう?みたいなきょとんとした表情を浮かべた。



「いやいやだって普通俺のが上じゃない?」「ふざけんな」


俺の方が上だと主張すれば食い気味に否定された。
酷い俺のが身長だって大きいし経験豊富なのに、そりゃ筋肉は負けるかもだけど。



「誰彼構わず挿入てきたようなブツを俺ん中に挿入させてやると思ってんの?」


ハッと鼻で笑われ、普段の彼からは想像できないようなことを言われ呆然としてしまった。

竜ちゃんは俺に近付きシャツのボタンを外していく。


「待って待って、竜ちゃん!」
「うるさいよ」


そういうとガブリと鎖骨あたりに噛み付いた。


「いぎっ!」
「お前のハジメテは俺がもらうから」


強く噛んだせいで滲んだ血を舐めながら言う竜ちゃんは性的で、思わずゾクリとしてしまった。


「ほら、それにお前はドMだろ?」

「は?」


今までそんなことを言われたことなんてなかった。
どちらかといえば全はSだね、と言われてきた回数のが多かったからだ。


「そ、そんなことない!俺はMなんかじゃない!」
「ふぅん、じゃあこれはなに?」
「えっ、あぐっ!」


竜ちゃんに股間を鷲掴みにされ気付いた、なんと俺は勃っていたのだ。
自分でも驚き、目を見開いて己の息子を凝視してしまった。
まさか噛まれただけで勃ったとでもいうのか。



「な、なん、なんで……?」
「気付いてなかったの?ほら、噛まれただけで勃つなんて、全はやっぱりMだよ。ドMだよ」
「え、うぇ、やだぁ……」



いまだに息子は竜ちゃんに鷲掴みにされたままだし萎えないしでもう頭の中ぐちゃぐちゃで情けなくなってしまい
ついに俺は泣き出してしまった。

すると頭上からはーっとため息が聞こえてきた。
萎えさせてしまったかと、ビクリと肩を揺らしてしまった。


「ごめん」
「え?」
「優しく出来ねぇわ」
「ちょ、待っ、あっーーーーーー!」






事が終わり俺はむすりとむくれてベッドに寝転がっていた。
腰とあらぬところがズキズキと痛み、動くことができなかった。
おまけに縛られてた手首も痛いしね!



事後処理はガツガツと俺を掘った張本人、竜ちゃんが済ませてくれた。だけどそれくらいじゃ許してやらない。



「大丈夫か?」

セックス中の態度とは真逆でしおらしい態度で聞いてきた。


「大丈夫なわけないじゃん!俺初めてなのにあんなにガツガツ掘られて!」


仕返しをしてやろうと少し強めに返す。
だって、俺のテクで竜ちゃんをめろめろにしてやろうと計画してたのに!


「悪い」
「え?」

「俺も、初めてで、加減できなくて……」
「へ?」


涙声でそう告白する竜ちゃんに驚き間抜けな声を出してしまった。
てっきり初めてじゃないとばかり思っていたから驚かされた。

あんなにもガツガツこれたのは、慣れているからだと思っていた。



「初めて、だったの?」
「あ、あぁ」

「キスもセックスも全部?全部初めてだったの?」
「全部お前が初めてだ」


そう聞けば俺の目を見てはっきりと竜ちゃんは答えてくれた。
その言葉が嬉しくて俺の口角は自然と上がり、満面の笑みを浮かべていた。


「そっかぁ、そっかそっかぁ」


嬉しくて笑う俺を見てどうしたのだろうと疑問符を浮かべる竜ちゃん、その顔が可愛くてもっと嬉しくなる。


「竜ちゃんのハジメテはこれからぜぇんぶ俺のものだからね」
「!!」
「だから今回は特別に許してあげよう」


そう言って俺は竜ちゃんの唇にそっとキスをしたーー……。


END

ドS×無自覚ドM。
全はどんどんと竜也にMに目覚めさせられていく。


逢坂全(17)
ノンケで女の子大好きなチャラ男だったが、竜也と付き合い出して竜也一筋。大型わんこ。無自覚ドM。


藤峰竜也(17)
高校に入学してからずっと全が好きだった。全に対してだけS。



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