FREEDOM2






「結婚しちまえよ。」



と、サランは言う。でもそればかりは出来ない。サランに一度サランと合法的に婚姻を結ぶにはどうしたらよいか尋ねたことがある。サランはこう答えた。



「女をみんな殺せ」



もちろんそんな事出来ないことわかっていて答えたに違いないが。つまり不可能。法律を変えようとも思ったけど、それも跡取り問題とは関係ない。



僕はサランを愛している。でも本当にそれでいいのかな。サランをそろそろ自由にしてやるのが愛なんじゃなかろうか。僕は悩みながらも国におふれを出した。




『魔法のランプを持ってきたものに褒美を与える。』



ランプはたくさん集まったがこすってもこすっても当たりは見つからない。ガセばかりだ。

しかし、ある時池で水浴びをしていると空からランプが降ってきた。見たことのあるランプだった。こすると見覚えのあるランプの精が現れた。



「アラン!?」


そう。僕にサランを与えてくれたあの愛すべき魔人だった。


「はぁい?呼ばれた気がしてまたきちゃったわよ。」



僕はアランに事を話した。アランはちろん渋い顔をした。



「やだぁ、あいつのためなの?!やぁだゎ。どうしよう。」

はあっとため息着くが、うちで取れる国一番の宝石を譲渡することで契約が成立した。









「サラン。」



「んあ?」



「君にこれを上げる。僕には君を自由には絶対してあげられないから、君が願うといい。僕のいない世界に。僕はもう大丈夫だから。」


僕がランプを差し出すと、サランはそれを見てゲッという顔をした。多分アランのだってわかったんだろう。



「ゲー、マジか。何でもいいの?」



サランが言う。僕は泣きそうになり後ろを向いた。愛してるのに。でも、サランはこのままじゃ幸せになれない。



だから。





「いいよ」











ボンッ!










「やだぁ!嘘でしょ?!」


アランの悲鳴が聞こえた。慌てて振り返る。そこにはまだサランがいた。サランがいたけど…









「これで、いいんじゃね?」


「サラン…え、サラン?」


「おうよ。」


サランには胸があった。体の線も丸くなり、髪も少し伸びていた。顔は変わらなかったけど。


サランは女の子になっていた。






「これで結婚できんじゃね?ガキも産めるし。もーさー、自由になりたかったのよ。





跡取りコールから。





一度しか言わねーけど。愛してっから。カナン。だから必要ないなんて言うなよ。」



僕はぎゅっとサランを抱きしめる。サランがアランにベーっとしたを出してるのは知らなかった。



今とても幸せだから。



END







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