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「いらっしゃいませ!ようこそ!」




学がまた俺のレストランに戻って仕事を始めた。学は今や俺の食事なしでは生きてはいけない。というか、俺の体液、かな。それで学は満足。俺も満足。今日は休みで、二人で朝から食材を探しにデート兼仕事。いつもの市場に向かうと、目の前から大柄な白人が現れた。白人はすいません、と俺らに謝ると行こうとしたが学に目を止めた。






「学………?」




「ジャック?」






すぐ様に名前を呼ばれた学が顔を上げて名前を呼ぶ。ジャックと言われた男は何度も頷いて、満面の笑みでがばっと学を抱きしめた。学も抱きしめ返す。な、に?彼氏の前でどうどうと浮気?!しかし、どう足掻いても俺の細腕じゃジャックとやらには敵いそうにない。とりあえず二人を引き剥がして話を聞くことにした。




「ど、なた?学。」




「あ、あのね!昔ウェイターで留学してた時バイトしてた店のオーナー!こんなところで会えるなんて?!」




学はそれだけまくし立てると顔を紅潮させて、またジャックに向かい合い何かを英語でまくし立てる。俺は海外に留学しても英語はさっぱりだったが、確か学は勤勉で英語がベラベラだった。だからこそ海外のお客様でもそつなく捌ける。フランス語も今勉強しているとかで、俺も気にしては居なかったが…






流石に疎外感。しかもオーナーとやらがチラチラ俺を見ては学と距離を近づけてほくそ笑んでいる気がする。




「行こうか。そろそろ。ね!まだ買い物もあるし。」




その視線から逃れたかったが、学は首を振った。




「ジャックのレストランが日本にもお店出したんだって!今から是非ランチをご馳走したいってさ。オースも是非って。」




学は時々頑固で、行くと言ったら意地でも行く。俺は諦めて同意するしかなかった。行かないと言えば一人でも行きかねない。










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