女だって狼さ



グッドイブニーング!!こんちわ、携帯の前のみんな!可憐で純真な涼子ちゃんです!え?メタファー的な発言はよした方がいい?んなもん知りませーん!

久しぶりに早起きできた私は、新八君と神楽ちゃんと買い物+定春の散歩についてきています。今日の夕飯は私の希望で焼きうどんじゃー!醤油で味付けしたのもいいけど、塩もいいよね!



「帰ったら下ごしらえとして先に野菜切っとこうか。」

「そうですね。焼きうどんの他に肉じゃがもおかずとして作りたいですし。」

「なんか、もう新八君って主婦みたいだよね。あ、この場合主夫か。」

「仕方ないネ。新八にはそれくらいしか取り柄ないアル。」

「僕にだって他に取り柄の1つや2つあるわっ!そういう神楽ちゃんだって料理の1つや2つ作れるようにならないと女の子として駄目なんじゃない?」

「んだよ新八この野郎!!料理は愛情で作るもんなんだヨ!小細工した味付けとか私に言わせりゃ邪道ネ!!お子様ランチがいい証拠ネ!」

「まあまあ2人とも。神楽ちゃんだって練習すればできるようになるよ。.....妙ちゃんよりは全然マシだって...。」



ああ...と遠い目で空を見上げる妙ちゃんの料理(ダークマター)の被害にあった2人。かくいう、私もこの間夕飯に招待されてウキウキして行ってみれば目の前に出されたのはただの炭の塊。拒否しようとしたら、もんのすごい良い笑顔で口の中に突っ込まれたな〜。

苦い思い出をそれぞれ思い出しながら万事屋の階段を昇り、玄関の扉を開いた。



「銀さん、帰りましたよ〜!」

「銀ちゃん、ただいまネ!!」

「愛しのマイ銀さーん!彼女のご帰宅ですよ〜!」



あれ?おかしいな。いつもなら気だるそうな声で「お〜ぅ。おけぇ〜り。」とか「誰が俺の彼女だ!寝ぼけてんじゃねぇ!」とか言ってくれるはずなんだけどな。



「あれ?銀さんまだ寝てるのかな?」

「でも、何か奥の方騒がしいアル。」

「....まさかっ!!」



私は嫌な予感がして居間へ駆け込んだ。と、そこで私を待っていたのは衝撃の光景だった。

なんと、見知らぬ美女が銀さんに迫っているシーンだった。うははは....衝撃過ぎて口あんぐり。



「だ、誰、その女ぁ!!!??もしかして銀さん不倫っ!?そうなのっ!?不倫!?おおおお、神よっ!なぜ見捨てたもう!!」

「涼子さん、取りあえず落ち着いてください。」

「新八ぃ〜水ぶっかけた方が早いんじゃないアルか?」

「お、お前ら見てねぇで早く助けやがれっ!!近寄るな!」

「銀さんったら、またそんなに冷たくしちゃって。いいわ!もっと蔑むがいいわっ!それが私の糧になるんだからねっ!」



そう言って眼鏡をかけた美女は銀さんに頬摺りをする。

ブチッ!!

私の何かが切れた音がして、ズンズンと無言で2人に近づきベリッと2人を引き離した。当然、美女は私の介入に不機嫌そうな顔を露わにした。



「ちょ、ちょっと何よ貴女!銀さんと私が愛し合っている中を邪魔するなんて!」

「愛し合ってねぇよ。お前の一方的な重い愛の押しつけだろうが。」

「やん!さすが銀さん!私のツボを心得てるわね!」

「うがあぁぁぁぁぁ!!!それ以上銀さんに馴れ馴れしく触るなぁぁぁ!!」


すかさず銀さんと美女の間に割って入った。ちょっと銀さんが驚いたような顔をしてたけど、今はそれどころじゃない!睨む先は見知らぬ美女!



「貴女....さっきから邪魔してきて、一体銀さんの何なの?」

彼女だっ!もう私と銀さんはあーんなことやこーんな事をした、言わば契りをかわしたなk..いっだぁ!!!」

「なーに口走ってんだてめぇは!いつお前とあーんなことやこーんなことしたってかっ!?妄想も大概にしやがれっ!」

「うっさい!銀さんは今黙ってて!これは意地とプライドと銀さんの隣にいる権利をかけた女の戦いなんだから!」

「そうよっ!銀さんには悪いけど、私も銀さんを想う気持ちならこんな小娘より負けてないことを証明しなければいけないのよっ!」

「勝手に俺を巻き込んで話を進めんなぁーーー!!てか、俺はおめぇら2人共好きじゃねぇし!!」



リアル昼ドラのような見事な三角関係のような図に我関せずと言った鼻をほじくっている神楽ちゃんと、オロオロとして止めようと新八君。
これ、撮影したらどんな昼ドラよりもリアリティあるんじゃね?



「と、取りあえず3人とも落ち着いてください!そんな気が立ってちゃまともな話もできませんし!ね?ね?」



新八君の言葉で納得しきれない美女と私は向かい合ってソファーに座り、逃げようとする銀さんを私が襟首を掴んで後ろへ引いて、その一瞬の隙に美女がどこからか取り出した縄で銀さんをグルグルに縛り付けて私達の見つめ合っている間に座らせた。(何気にお互いナイスな連係プレーと思ってたことは知るよしもない)



「で?貴女誰なんです?」

「人に名前を尋ねるときはまずは自分からという礼儀を知らないのかしら?これだから小娘は...。いいわ、私から答えて上げる。私はくのいちの猿飛あやめ、通称さっちゃんよ。」

「え!?さっちゃん...って前に新八君が言ってた銀さんに惚れてる人の名前じゃん!?何で直ぐに言ってくれなかったの!?」

「言う前にあんたが勝手に騒ぎ始めるからでしょうがっ!?ってか、首しまってます!離してくださいっ!!」

「...まあいいよ。私は涼子。銀さんに一目惚れして万事屋に居候してる。」

「なんですって!?銀さんと1つ屋根の下にですって!?なんて貴女図々しいの!?銀さんに迷惑がかかると思わないのっ!?」

「その台詞お前に返してぇよ。」

「ッハ!!好きな人の傍にいたいと思うの女として当然でしょうが!それすらできないチキンなアンタにどうこう言われる筋合いないってーの!しかも既に銀さんは私のだし!!」

「おめぇのになった覚えもねぇよ。」


何やら私とさっちゃんが言い争っている間に銀さんが律儀にツッコミをいれてくれる。いやいや、銀さん別にそんな恥ずかしがらなくてもいいんだって。



「これ以上言い争っても何の解決にもならないわね。こうなったら、自らの持てるテクニックで銀さんを昇天させた方が銀さんにふさわしいか勝負よ。」

「ふん...いいじゃない。やってやろうじゃん!後でその余裕ぶっこいた面涙でぐしゃぐしゃにしてるよ!」

「おいっ!てめぇら何勝手に決めてんだ!?」

「威勢だけは一丁前ね。....ってちょっと待って。」



懐から取り出した携帯電話で通話を始めたさっちゃん。えー!?と不満そうな声をあげた後わかったと携帯を閉じた。なんだ?



「しょうがないわ、私急に仕事入っちゃったから勝負はお預けね。でも、覚えてなさい!銀さんにふさわしいのは私なんだから!」



と、言い捨てて窓から飛び出していった。残されたのはぽかーんとなる私達だけだった。



「....ッハ!もう二度と来るなぁぁぁぁ!!!この変態女っ!!」

「そりゃお前だ。というよりこの縄さっさとときやがれっ!!」

「銀さんっ!ホントにさっちゃんと付き合ってないんだよねっ!?」

「だから誤解だって言ってんだろ!?いいから縄を...」

「今更何よっ!馬鹿っ!寂しかった!!」

「何勝手に自分の中で自己完結させてんだっ!?てか抱きつくなっ!」



たとえ相手が誰だろうと銀さんは渡さないモンね!

ムンと握り拳を作って天井に突き上げた。その後ろでは新八君と神楽ちゃんがめんどくさそうに銀さんの縄とほどいている光景があったが、ぶっちゃけ気づかなかった。

その後こっぴどく銀さんに叱られたのは結構傷ついちゃったよ。トホホ。



女だって狼さ

*ギャグ...なのか?これ
 

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