NOT TYPE!
最近俺に付きまとう女が一人増えた。いや聞こえはいいよ!?ほら、天パーな俺でも女に困んねぇとか最高じゃね?むしろ本来のあるべき俺の姿なんだよ、それが。
が、どうにもその女は変態だったらしく、隙あらば俺の布団に潜り込んできたり、風呂に乱入しようとしてきたり、抱きついてきたり、どうにもうぜぇ...。俺は束縛したいタイプなんだよ。強引な女はタイプじゃねぇんだよ。どーして俺にはこんな女しかひっかからねぇかな〜...。やっぱ天パーのせいか?
「銀さん?何考えでんの?あ、もしかして私のこと考える?やだな〜『俺の彼女はこんなに可愛くてどーすっかな〜?』とか考えてんでしょ!わかってるよ...わかってるから、ギブミーキス!!」
「ちょっと黙れ。そして脳外科行ってこい。」
「そんなっ!銀さんにそんな冷たいこと言われたら、涼子もう生きていけない!」
「そのまま死んでこい。」
「辛辣っ!?」
くそ、こんな時に限って新八も神楽もいねぇってどういうことだよ。こいつと2人きりって何されるかわからねぇじゃねぇかよおぉぉぉ!!え、俺男だよね?普通そういう心配するのって男の仕事じゃないよね!?カムバック新八ィィィ、神楽ァァァァ!!!
「もしかして銀さん、私が銀さんを襲うとか思ってない?」
「な、なんでわかってんだよぉぉぉ!!!」
「いや、乙女の勘ってやつ?失敬な!さすがの私だって襲わないよ!」
「その言葉で安心できねぇって何でだろうな。」
「昼間に襲うなんて邪道でしょ!?いや、それはそれで色々緊張感があってそそるところm...ゲフンゲフン!!とにかく襲うとしたらやっぱ夜でしょ!!」
「やっぱ襲う気満々じゃねぇかあぁぁぁ!!しかも前半本音モロばれじゃねぇかよおぉぉ!!」
「やっぱ、人間って本能に従う生き物だからね☆」
「『☆』ってつけんな、気持ち悪ぃ!!」
こんなところにいたら俺の貞操(?)が危うい!こうなったら公園で暇潰すしかねぇ!長谷川さんしかいねぇだろうが、こいつと一緒にいるよりかマシだ!!
と俺が逃げだそうとするのを察したのか(獣かこいつ!?)俺の腰に抱きついてきた変態女。ものすげぇ力で離す気がない。というか、ホントにこいつ女かっ!?
「銀さん!他の女の所に行くなんて許さん!!」
「女じゃなくて長谷川さんのとこいくだけだっ!離せ馬鹿女!」
「やっぱり銀さん、そっち系の趣味があったの!?私あんなオッサンより魅力ナッシング!?」
「いい加減そのネタ終わりにしろっ!!大体俺はおめぇみたいな攻めタイプは好みじゃねぇんだよ!!」
俺がそう叫ぶとコイツはピタッと力を入れるのをやめて、ゆっくりと手を離した。
やっとわかってくれたのか?
「そうだったのか....。銀さんは攻めタイプは好みじゃないんだね...。」
「あぁ、だから俺のことはいい加減あきらm...」
「わかったよ!私受けタイプになる!銀さんのためにならジョブチェンジなんて苦じゃないよ!さあ、私を獣のごとく襲うがいいっ!!」
「....受けの女はそんな台詞はいわねぇと思うぞ?俺がいってんのは日本女子特有の大和撫子みたいな少し一線引き気味の大人しい女のこと言ってんだよ!」
「私そのものじゃん。」
「どこがだよっ!?」
コイツと離してると異星人と話してる気分になるわ。あ、コイツ天人だった。じゃなくて!
俺が一人で考えているとコイツは正座をし、少し大人しくなっていた。さすがに罵倒しすぎて泣いてるのか?思い俺が顔をのぞき込むと急に俯いてた顔をあげて、目の前にコイツの顔がドアップで映った。マジでびっくりしたぜ。
「....銀さんが、そこまで私が近寄るのが嫌なら私、少し自重する。でも、私本当に銀さんのこと好きだから、そこは絶対譲らないよ!!」
「お、おぉ....。」
つい返事をしちまったが、コイツは俺の返事を聞いてニヘラと笑った。あ、こうしてれば少しはかわい...って騙されんな俺!!見た目に騙されんな!コイツは中身が危険人物だ!まあ、そこまで嫌いじゃねぇけどよ...。
NOT TYPE!
(「ってことで抱きついていいですかっ!?」)
(「自重するんじゃなかったのかあぁぁ!?」)
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