ないよりはあるほうがいい



「というわけで、妙ちゃん!一緒に巨乳エクササイズやんない!?」

「あら、面白そうね。でも涼子ちゃん。『というわけ』ってまだ何も私聞いてないわよ?」



ただ今私は妙ちゃんちに来て、ある計画を持ちかけています。その名も『巨乳で気になるあの人(銀さん)をゲットしちゃうZE☆大作戦!!』だ!やっぱり銀さんも男の人だし貧乳よりも巨乳の方がいいと思うんだよね!ほら、大は小をかねるってことわざがあるくらだし!



「でさ、1人でやると三日坊主になりそうだし一緒に志す人がいた方が続くと思ったんだ!」

「それはいい心がけね。でも、なんでそこで私を選んだのかしら?是非その理由を聞きたいわ〜。」

「い、いだっ!いだいです、妙ちゃん!!アイアンクローはマジで勘弁!いやあぁぁ!変な音が頭から聞こえるうぅぅぅ!!!」



さ、さすが、毎回あのストーカー(近藤さん)を退治してるだけある。握力が半端無いぜ...。あ、あなどれん!



「ほ、ほら私まだ江戸の街きてから日が浅いし友達もそこまでいないからさ!!」

「そんなことなら早く言ってくれればよかったのに〜。わかったわ、私も一緒にやってあげるわ。」

「あ、ありがとう!!」

「で?具体的にどんな風にやればいいの?」

「あ、この雑誌には『唐揚げを食べる』『豆乳を飲む』『胸の前で手を合わせて胸筋に力を入れるように踏ん張る』とかかな?あとは〜『彼氏に揉んでもらう(笑)』。って笑ってんじゃん。」

「あら、涼子ちゃん銀さんのために胸を大きくしたいなら銀さんに胸を揉んでもらえばいいじゃないかしら?」

「そ、それは魅力的でなんとも興奮するバストアップ法ですねぃ妙ちゃん!!!」

「ふふふ、涼子ちゃん興奮するのはいいけど、鼻血なんとかしなさいね。」

「でも、銀さんはきっと『揉む胸すらねぇだろ』って言いそうだな。」

「じゃあこうしたら?」













「なんだか今日は静かですね。」

「ああ、あいつがいねぇからだろ?」

「涼子さんですね。今日は姉上と話があるとかうちにきてるらしいですけど...そろそろ帰ってくる頃ですね。」



新八がそう呟くと同時に万事屋の玄関ががらっと開く音がしてリビングに駈けてくる足音が近づいてきた。その様子に新八は「あ、帰ってきた。」と顔を上げ、銀さんは「帰ってきやがったか〜」とため息をついた。



「ただいまっ!!銀さん!何も言わず私の胸を揉め!!」



銀さんはおろか新八までもがポカーンと口を開けたまま放心した。おかしいな。私の計算だと「いただきます!」と銀さんが飛びついてくる予定だったんだけど。



「...何、その胸。」

「巨乳!!」



えっへんとでかくなった胸を張る私に銀さんは近づくと、爪楊枝で私の胸を刺した。すると私の胸はパァンッ!と大きな音をたてて破裂した。



「ああぁぁぁっっ!!!!私の胸ーーーーー!!何てことするんだぁーーー!!」

「アホかっ!風船入れて巨乳とか小学生かお前はっ!?」

「だって、妙ちゃんが絶対にこの方法で銀さんに胸揉んでもらえるって言ってたもん!」

「姉上、絶対それからかってますよ....。」

「マジでっ!?」

「初めから気づけ...。」



こうして私の巨乳計画はむなしくも終わったのである。



ないよりはあるほうがいい

(「神楽...お前その胸....。」)
(「姉御に、こうして風船入れてると胸が大きくなるって聞いたネ!」)
(「涼子さんと同レベルがもう1人...。」)
 

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