志波誕祭'10

HappyBirthday!(前編)


「最後にチョコプレート乗せて……っと、出来たー!」

「ワンワンッ!」


【HappyBirthday!(前編)】


「美味しく出来てたらいいんだけど…志波くん喜んでくれるかなぁ」

「ワンッ!」

「ふふ、もちろんカッちゃん用のケーキも用意してあるからね」

「キャワン♪」

「もっと時間かかると思ったけど思いの外早く出来ちゃったな…待ち合わせの時間まで何しようか?」

「ワン!ハッハッハッ」

「リード?もうお出掛けしたい?じゃあ時間までお散歩デートしようか」

「ワオン!」




ヒュ〜

「う〜本格的に寒くなってきたね〜」

「ワン…」

ピトッ

「ふふ、暖かい。カッちゃんありがとう」

「ワフン」

「待ち合わせ公園だけどさすがにそこでケーキは食べないよね、どこ行くのかな?」

「クゥン?」

「志波くんが自分から行きたいとこあるの珍しいから楽しみだな〜♪いつも人の事ばっかり優先して、もっと甘えてくれてもいいのにね?」

「ワンッ」

スリスリ

「ふふ、カッちゃんは甘え上手なのにね〜」


「新装オープンで〜す!よろしくお願いしま〜す!」

「ん?」

「あ、いらっしゃいませ〜どうぞよっていってください!」

「雑貨屋さん?こんな所にあったんだ」

「この間オープンしたばかりなんです、これからどうぞご贔屓に!」

「わ〜かわいい〜!動物モチーフの小物がたくさん!」

「オーナーが動物好きなんです。しかもこれひとつひとつ手作りなので全て世界にひとつだけですよ!」

「へ〜素敵ですね!あ、このキーホルダーシリーズかわいいしカッコイイ!」

「シンプルな物も取り扱っておりますから、男の方が来られてもお楽しみいただけますよ。女の子のお友達から男のお友達、いらっしゃいましたらもちろん彼氏さんともぜひまたお越しくださいね」

「はい!わ〜全部かわいいなぁ…あ、黒いわんこ!ほら、カッちゃんに似てるよ」

「ワフン?」

「ふふ、そのまんまのカッちゃんがいなかったら志波くんに似てるって初めに思っただろうな。…志波くんにこれあげたら喜んでくれるかな…」

「こちらはデザインがシャープで派手過ぎないので男の方でもきっと気に入ってくださいますよ」

「うーんどうしよう…あ、こっちのうさぎさんもかわいい」

「お客様するどいですね」

「え?」

「その犬と兎は丁度同じ時期に製作していて首に付いてる飾りがお揃いなんです」

「あ、本当だ!同じなのにうさぎさんだとかわいくてわんこだとカッコイイから気付かなかった」

「さりげないお揃いにはもってこいですよ、いかがですか?」





「うーん…やっぱり何もプレゼントしないのもなんだしな…キーホルダーだったらロッカーやお家の鍵用に普段気軽に使ってもらえるだろうし……よしっ、これお願いします!」

「ありがとうございます!こちらの黒い犬の方でよろしいですか?」

「はい、それをプレゼント用に。それと…うさぎさんのを自分用に」

「かしこまりました、今お包みしますので少々お待ちください」

「へへ、お揃いにしちゃった。志波くん気に入ってくれるといいな…。中でお会計してくるから、カッちゃんちょっとここでケーキの荷物番お願いね」

「ワンッ!」


「クンクンクン…」

「ワン?」

《わんこ翻訳機ON》

『くんくん…なんかいい匂いが…ん?お前クロじゃねぇか、首輪なんかしちまって野良卒業かよ』

『あぁ…縁あって今はすごくいいご主人と暮らしてる』

『いいご身分だな…しかしさっきからいい匂いするな…ケーキか?』

『触るなよ…これはもう一人のご主人様への大事なものだからな』

『もう一人の?…くんくん…なんかケーキだけじゃねぇんだよな、このいい匂い…どこかで嗅いだような…』

「ありがとうございました〜!」

「カッちゃんお待たせ!」

『ご主人!おかえり!』

『はっ、尻尾降って撫で声出しちゃって。狂犬のクロって呼ばれてた頃の面影0だな』

『俺はこのご主人に会えて変われたんだ。迷惑かけちまったこんな俺に優しく接してくれた…ご主人達に一生付いて行くって…守ってやるって誓ったんだ』

『へっ、柄じゃねぇ…』

「あれ、カッちゃんのお友達?」

『ふ、今じゃカッちゃんかよ…ん、カッちゃん?』

「それか近所のわんこさんかな?こんにちは、わたしは海野あかり、で、こっちがカツミのカッちゃん!お散歩?」

『カツミって…くんくん…!そうだ、この人間からする匂い!まさかお前のもう一人のご主人って…?!』

『あぁ、そうだ…志波様だ』

『何だって?!ここいら一帯のみんなのアイドル志波様がご主人様だとっ?!!まさか!あのお方はペットを飼ってないはずだ!』

『だから、この方が俺のご主人だ。で、その彼氏が志波様…未来のもう一人のご主人様だ』

「なんだか会話が弾んでるね、やっぱりお友達なのかな?」

『そんな…志波様が特定の動物を……認めん…認めんぞ!』

ガバッ!

「え!あ、ケーキ!!」

『おい待て!』

「あ、カッちゃん!」



[志波誕祭'10]

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