キミの笑顔


『総悟ー!!』




今日もキミは





笑顔で走って俺の元までやってくる














『…それでね、そのお菓子がスッゴく美味しくて、私も作ってみようかなって思うんだけど……』






俺と咲夜は俗に言う幼なじみだ


餓鬼の頃からずっと一緒で割と仲も良い





江戸に出てからは真選組で女中をしていて


やっぱり一緒にいる











お互い【特別】な存在では在るが




ソレを向こうは【家族】として感じているだろう







だからーー

 




『それでさ、銀ちゃん食べてくれると思う??』







普段は俺に見せない様な


恥ずかしそうな、でも期待に胸を膨らます様な瞳で


俺にそんな事を聞いてくる










旦那なら特にどんな物でも
喜んで貰ってくれるだろう




咲夜からの物なら余計にだ







 

「まァ旦那は味にこだわり無さそうだからねェ。まだ食べてくれるんじゃねェですかィ??」





『え??何ソレ??…私の料理が下手って言いたいのかな、総悟君??』






少しムッとしてから直ぐにシュンとして




『やっぱり駄目かなぁ』





なんて見るからに落ち込むから




「…まァ上げねェ事には始まらねェだろ。それに旦那が断ると思うかィ??」






貰える物は貰っておくのが旦那だろ、だとか
訳の分からねェ事を言って慰める俺







そんな俺の言い分にパァァとたちまち笑顔になるコイツは

単純で馬鹿だ






そして、








『…そうだよねッ!!ありがとう総悟!!頑張って作ってみるよッ』






そう言ってバタバタと
どこかに行ってしまった







ただ咲夜の笑顔が見たくて、


ただ咲夜の側に居たくて、



ただ、今の関係を保ち続けようとする俺は




お前以上の大馬鹿者でさァ








特別じゃない、

   特別なキミの笑顔






(キミの笑顔を護るためなら、)


(いつまでもこの手を差し出そう)






.


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