その言葉だけじゃ




【愛してる】って言葉嫌いなの―――



「何でィ、いきなり??」


学校からの帰り道
突然咲夜が言い出した





『だから【愛してる】って言われるの嫌いなの』



「…俺ァ【愛してる】なんて言ったことありやしたっけ??」




真っ直ぐ俺を見て言うお前に俺も真っ直ぐお前を見て言う



『ないよ??好きって言われた事もあんま無いけど』



うるせー

そんな事言うキャラじゃあねぇんでさァ





『【愛してる】って言われたら、なんかそれで終わりみたいじゃん??それ以上の物は無いみたいじゃん??だから嫌いなの』




一歩前を歩きながら淡々とす咲夜が一体何を言いたいのか分からなくて黙って話を聞く




『だから、』




言い掛けてくるり、と体をこちらに向けて目の前で停まった咲夜と視線が再びぶつかる





『私、総悟みたいに言葉じゃ無くて行動で愛情表現してくれる方が好きだよ』




優しく、悪戯っぽく笑う咲夜の姿に不覚にもドキッとしてしまう



『まぁ、たまには言葉で言って欲しいけどね』




「どっちでさァ」



悪いがそれわ期待に応えられそうにない

俺ァお前と違って繊細なんでぃ
そぉいう歯の浮く台詞は柄じゃねぇし第一恥ずかしくて言えたもんじゃねぇ



それに咲夜自身にもあんま言われた事ねぇし態度で示された記憶も余りない


こんな時だけ普通に言ってんじゃねぇよ






『取り合えず何が言いたいのかと言うとさ、』





ギュッ




『【愛してる】なんかじゃ足りないぐらい大好きだよ』




「……」



何が起きたか理解出来ず固まってる俺を置いて何もなかった様にまたスタスタと歩き始めるお前






「咲夜」



やられっぱなしは性に会わない
顔の熱が冷めたら仕返しをしてやろう






言葉だけじゃ役不足。



((耳真っ赤ですぜィ??))

((…うっさい))






***


恋したいなぁ…
つくづく思うこの頃
誰か寂しさを埋めてくれっ(笑)


.


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