鬼才ふたたび










はあ…昨日に続き今日も散々だったな。
本当なら委員会あっても午前中に帰れるはずだったのに、帰る直前で担任に呼び出しをくらった。
内容は個人懇談の日程決めるための相談だとかなんとか…
気づけば時間は正午を過ぎるちょっと前だった。



「うー…先生ってばあの話今日じゃなきゃダメだったのかな?」



靴箱でひとりブツブツと呟きながら履き替え、校門へと足へ向けた時だった






「よお。」






そこにはヒラヒラと手を振っている男がひとり。
その男は忘れもしない、



「昨日ぶりだな、なまえ。」



それは昨日わたしに恐怖を与えた金剛阿含だった。



「……うそ。なんでココに。」

「あ"ー?名前割れてたらちょっと調べたらわかるんだよ。」



俺にかかればそんなの筒抜けだ、と相変わらずの悪い笑みを浮かべて近づいてきた
どうしよう、また体が動かない。だけど金剛阿含はどんどん近づいてくる
来ないで、と簡単な一言も出ないぐらい硬直してしまったわたしと彼の距離はゼロになった
そしてわたしの頭に金剛阿含の左手が近づいてきた。

(あ、もうダメだ…。やられる!)

そう思い目をぎゅっと瞑り痛みに耐えようと構えたのだが






「何ビビってんだよ。」

「…え?」



彼の左手は優しくわたしの頭を撫でていた。
予想外のアクションにわたしは間抜けな声を出すと金剛阿含はブッと吹き出す。



「お前なんだその顔。馬鹿面晒してよお。」

「ばっ…だ、だって。」

「なんだよ、昨日の仕返しにでも来たのかと思ったのか?」

「へ、違うんですか?てっきりそうなのかと」

「ばーか、俺もそこまで暇じゃねえよ。」



そうして欲しいなら望み通りしてやってもいいけどな、と冗談交じりに言ってきたけど
そんな怖い顔で言われたら冗談に聞こえない。









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