最大の問題点









「…はぁ、俺キッドさんにどう説明すりゃいいんだよ。」

「ちょっと待ってよ、なんでキッドさんが出てくるわけ?」

「なんでってキッドさんから勧誘されてたの忘れたのかよ。」



何言ってるの、そんな記憶に新しい事忘れるわけないじゃん。
確かに自分の学校にはワイルドガンマンズというとっても強いアメフト部もあるのに勧誘蹴ってまで外部でマネージャーするのは印象よくないかもしれないけど
そもそもキッドさんとわたしの関係だってあくまで先輩と後輩ってだけだし
今回の清十郎くんへの嘘をついてどうしようっていう本題には1ミリも沿えない話だよ?



「……お前本気でそう思ってんの?」

「え、うん、わたし間違ってる?」

「………いや、もういい。その話はまた今度だ。」



陸ってば頭抱えて一体どうしたんだろう?
わたしの説明、ちょっと難しかったかな?



「……ここまで来ると筋金入りだな。」

「?なんか言った?」

「いーや、なんにも!それよりお前こそ忘れてるわけじゃないよな?」

「えっ、まだ何かあるの?」



…陸の顔がさっき以上にビックリしている。
まるで"オイオイそれは絶対忘れちゃダメなやつだろ"って顔だ。
今日は陸はよく顔で喋るなー、またひとつ尊敬するところができた。

で、それで結局わたしは何を忘れてるの?



「確かまた王城と神龍寺って練習試合するだろ、いいのか?お前も当然行くんだろ?」



え?忘れてるってそんな話?
忘れるわけないですよ!神龍寺で雲水さんと一休さん(とその他強面の皆様)からしつこく参加してくれって頼まれたんですから!
その最初の日程がその練習試合だもん、初っ端の試合を忘れるわけがな…






「だよな、だったら進さんと必然的に会っても全然言い訳できる用意はできてるってことだよな?」






その時の陸の清々しいほどの黒い笑顔は人生でもTOP5に入るぐらいの印象深い表情だった。









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