新たな友達?









阿含さんの後ろを黙ってついて行くと奥へ奥へと進んでいく。
そしてたどり着いた場所には大きな滝が見えてきた。
滝ってなんですか、学校ですよね。ココ。



「うわ…すごい。」

「ちゃんとついてこい」



滝に見とれていたら阿含さんの大きな歩幅は先へ先へと行ってしまう
こんなところで置いてかれたら確実に出口なんかわからなくなっちゃう。



「ま、待ってください!迷子になっちゃ…今なんでちょっとスピード早めたんですか?ちょっとー!」






******







「おい一休。」



たどり着いた場所には大きな建物で中に入るとたくさんの男の人(そりゃそうだ男子校だし)がゴツイ防具をつけている最中だった。
ということはココはアメフト部の部室…なのだろうか。
一度だけ清十郎くんの学校の部室みたことがあるけどそれ以上に広い。
というか全然レベルが違っていた。

ドアを開けて阿含さんは一番に声をかけたのは少し小柄なアメフト部の人。
一休と呼ばれていたのが名前なのだろう、
(阿含さんの相変わらず偉そうな言い方はもうスルーしておこう。)
そしたら一休さんはちょっと驚いた顔で近寄ってきた。



「あれ、阿含さん!珍しいッスね、まだ時間前…」

「うっせえな、それより雲子ちゃんどこだ。」

「雲水さんなら奥にいますよ。」

「めんどくせー。」



何か会話をしたかと思ったら阿含さんはスタスタと奥の部屋へと行ってしまった。

え、ちょっと待って。わたし放置ですか?

すると阿含さんの後ろにいて気付かなかったのか阿含さんを見送った一休さんが視線をこちらに向けるとうお!と驚いた声をあげる。



「え、き…君」

「あ…えっとこ、こんにちわ。」

「……お、女の子??」



一休さんはさっきよりもびっくりした顔でわたしをマジマジと見つめてくる。
そりゃそうだよね、ここは男子校だし女の子が珍しいのも無理はない。



「初めまして。わたし苗字なまえって言います…」

「えっ…あ…あ、俺は細川一休ッス!」



予想通り彼の名前は一休さんというらしい。
神龍寺ってみんな阿含さんみたいに怖そうな人ばっかりなのかと想像していたが
一休さんはそんな風には見えなくてむしろ優しそうな普通の男の人って感じだった。
自己紹介を言ったすぐに一休さんはあの、言葉を続けてきた



「あの、君…は阿含さんの…彼女?」

「はっ?!わ、わたしがですか?違います!友達です、友達!」



とっさに友達と言ってしまったが実際そういう風な間柄ではない。
ってゆうかわたしと阿含さんって何なんだろう…自分でもわからない。
だけど説明したらややこしそうだからそういうことにしといた。



「友達、ッスか。なんかそれはそれで鬼びっくりっていうか。」

「えっ?細川さん、今なんて。」

「いや、なんでもないッス。それより俺のことは一休でいいよ、苗字は慣れてないから。」



少し照れくさそうに目をそらしながら一休さんはそう言ってくれた
なんだか阿含さんとか清十郎くんとか見てるからかな?
一休さんってすごくシャイなんだろうか?あの二人とは全然またイメージが違う。
でもそうやって言ってくれたことは嬉しいのではい!とお言葉に甘えて名前で呼ばせてもらうことにした



「わたしもなまえって呼んでください!」

「うん、じゃあなまえってさなんでここに来たの?」



一休さんは絶妙に難しい質問をしてきた
そういえばわたしなんでココに連れてこられたんだろう、寧ろこっちが知りたい。



「う…それがわたしもイマイチわかんなくて。なんせ急に連れてこられたので。」

「そうッスか…じゃあもう一個、なまえって彼氏い「おいコラ一休。

「ぐあ!阿含さ、鬼痛ぇ!!ちょっ、頭割れるッス!」

「手癖悪りーことしてんじゃねえよ、カスの分際で。」



一休さんが何か言おうと切り出した瞬間、阿含さんが背後から頭を鷲掴みした
い、痛そう…!そういえば一休さん、何を聞こうとしたんだろう?
阿含さんもよくわからないことを言っているし…男子校の生徒の会話ってこんな感じなのかな?
イマイチわからなかったから後で阿含さんに教えてもらおう。









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