ふたりの阿含さん










「それより阿含さん!わたしをほっぽいてどこ行ってたんですか?」

「耳元でうっせーな。雲子ちゃんとこ」

「うっ…そ、その方はどういう人なんでしょうか?」

「今にくるからわかる。」

「??」



そういうとまた阿含さんは一休さんにちょっかいをかけにいった。
…仲いいんだなぁ。(阿含さん、耳耳!!ちょ、痛て!鬼千切れますって!)
ちょっとだけ悲痛な叫び声が聞こえるけども気にしないことにします。

そしたら阿含さんが戻ってきた奥の通路から少し早い足音が聞こえてきた



「おい阿含!さっきの話はどういう意味なんだ!」

「おー雲子ちゃん来たか。」

「来たか、じゃない!珍しく時間通りに顔を出したと思えば……ん?」



驚いた。
おそらく足音の主だろう、かなり迫力のある声で阿含さんを問い詰めている

他人の気配でも感じたのか驚くこともなくその足音の主はこちらを見やった



「…すまんが、どなただろうか?」

「それ俺の連れ。」

「阿含の…もしかしてさっき言ってたことか!」



なんだか勝手によくわからない話が進行しているけども
わたしにはその言葉が右から左。

だって目の前には






「あ…阿含さんがふたり?」






髪型は違えどココに連れてきた阿含さんの顔だった
背丈、スタイル。なにより全く同じパーツで出来た顔。
似てないといえば綺麗に整えられた坊主頭ぐらいだろうか。



「君が苗字さんか。」

「は…はい。なんでわたしの名前を…」

「たった今弟から聞いたものでな。」

「あ、なるほど弟さんに…………」



え、弟さん?誰が?
今ここでわたしの名前を知っているのは阿含さんと一休さん。
一休さんはさっきのさっきまでわたしとずっと一緒にいた…ということは



「あの…弟さんってことはもしかして。」

「自己紹介が遅れたな、俺は金剛雲水。そこにいる阿含の双子の兄だ。」



………………。










「えー!阿含さんって双子だったんですかー?!」

「つーか普通顔見たらなんとなく推測できるだろ、お前やっぱ馬鹿だな。」









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