「で、夜久先輩と一緒に出かけたんだ。」

「そう…なんだ。月子先輩と…。楽しかった?」

「そりゃあね。」



心のありか



最近の梓は少し変わった。
一回辞めた弓道をもう一度始めて、月子先輩に出会ったから。
昔から一緒にいるけど、梓が女の子の話をすることも、女の子と話すこともほとんどなかった。
だからわたしは安心して梓を好きでいられたのに、最近の梓は少し遠く感じる。



「先輩はからかうとすぐ赤くなるからかわいいんだよね。」

「…うん。」

「どうしたの?名前。」

「なんでもない。」



本当はなんでもないわけないのに。
梓から月子先輩の話を聞くのは辛いのに、強がってしまう。
月子先輩には叶わないなって感じてしまう。
でも、月子先輩は素敵な人だから嫌いにもなれなくて。
それなら、自分の気持ちを捨ててしまう方が楽なんじゃないかなんて考えてしまう。



「名前は本当にバカだね。」

「梓…?」

「昔からずっと一緒に居たのに僕の気持ちに気づかない。」

「どういう…」



考え込んでいたわたしに梓は言葉を紡ぐ。
だけど、わたしはいまいち状況が呑み込めなくて。
梓はそんなわたしを少し笑いながら説明してくれた。
「名前にやきもち妬かせたかった」って。
ずっと片思いだって思ってた。
だからこそ、梓の言葉が嬉しくて。
それと同時に本当なの?っていう不安な気持ちが出来て。



「梓…それって、わたしのこと好きだってこと?」

「それしか考えられないでしょ?僕は名前が好きだよ。」

「本当に?」

「嘘ついても意味ないでしょ。それに、僕は名前が好きだからこうして一緒に居るんだけど?」



梓の言葉に、わたしの不安はすべてなくなった。
梓はわたしが好きで、わたしは梓が好き。
それを知れたことがすごく幸せ。
だから、これからは堂々と梓の隣にいるからね!



end

2011.12.09
さとゆうさまに捧げます!
リクエストは幼なじみ夢主で梓がいつも月子ちゃんのことを話すので梓のことを諦めようとするが両思いだとがわかり、思いがつうじあう、切甘でした!
梓なら、夢主をからかって反応をみて楽しむんだろうなと思ったので!
なにかありましたら、遠慮なくお願いします。
リクエストありがとうございましたっ!


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