「あんまり…無理しないでよ…」



保健室のベッドで青い顔をして眠っている哉太の手をギュッと握りながらわたしは呟くように言った。



安心できる居場所



哉太が倒れた……と、月子が泣きそうな顔をしてわたしを呼びにきたのは30分前のこと。
わたしにはあまりよくわからないけれど、哉太には持病がある。
こうした時折体調を崩し、倒れたりする。
そのたびに凄く不安になって、哉太のことしか考えられなくなる。



「…名前、どうしたんだよ。泣きそうな顔して。」



わたしが考え事をしているうちに哉太は目を覚ましたらしく、心配そうな顔をしている。
辛いのは哉太の方なのに。



「ごめんな…オレが弱いから名前を泣かせた。」

「哉太は弱くないよ。心がとても強いから。」



いつの間にか流れだしていた涙。
それを哉太は優しく拭ってくれた。
哉太の優しさはあったかい。



「ごめんね…哉太の方が辛いのに泣いちゃって。」

「謝ることねーよ。名前を心配させたオレが悪いんだからな。」

「あんまり…無理しないでね。」

「名前は怒ると怖いからな。」

「哉太っ!」



時にはこうやって不安になるけれど、哉太が笑ってくれると安心できるの。
でも、あんまり無理はしないでね。



end



春さんに捧げます!
リクエストは、切甘で弱ってる哉太でした。
弱ってる=やっぱり持病かな?という安直なものですみません。
なにかありましたら、遠慮なくお願いいたします!
リクエストありがとうございました!


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