6.他者と自分 大事なのは? 1/3

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白兵戦や戦斧の訓練をさせるビッテンフェルトに、到頭オイゲンは尋ねざるを得なくなった。
年齢はともかく、女の子であるカサンドラの行く末がおかしなことになる気がしたのだ。ビッテンフェルトとしては彼女は負担ではなかったのか。彼の中ではハッキリしているのかも知れないが、端からみたらそうは見えない。白兵戦のエリート女の子など、嫁の貰い手がなくなる。彼女をビッテンフェルトはどうしたいのか、そこが知りたかったのだ。

「白兵戦のエリートにでもして、戦場に放り込む気ですか」
「ん、なんだいきなり」
「彼女を今後どうしたいんですか。普通の女性軍人ならオペレーターやエンジニアでしょう」
「言ってなかったか。
あいつを俺の副官にする!!」

満面の笑みを浮かべるビッテンフェルトに、黙るしかなかった。副官にしたいのは結構だ。しかし、白兵戦を習わせる意味があるのか。そして彼女にその意思は伝えたのか。少々疑問である。白兵戦の訓練がこれからあるので、そこで尋ねることにした。
話題にされていたカサンドラは、白兵戦の訓練が憂鬱だった。男女例外なく重装備に武器持ちで歩かされるのが嫌でならない。好きな訓練は射撃と軽装備による低重力下の訓練ぐらいだ。低重力下の訓練はかなり楽しい。力ではなく技と速さで大抵が勝敗が決まる。力や体力で負けても、この二つだけは意地でも負けたくない。嫌いな重装備を身に付けながら、意地でもそう思った。
ビッテンフェルトとオイゲンの姿が見えると、とてつもなく憂鬱になる。理由はたいしたことではない。強いていうならビッテンフェルトが暑苦しいから。現代にあそこまで暑苦しい男はそういない。だから扱い方に非常に困る。
どうでもいいことだが、戦斧の二刀流は詰みゲーと思いながら、お腹が空いたので夕食について考えた。
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