愛しい師匠 | ナノ


▼ 02.師匠の交友関係

「はぁ!?」

口を一回も開かなかった如月の本日第一声はこれだ。
これを向けられた三輪は「自分は悪くない」と言い聞かせた。
三輪と如月はあまり仲がよくない。
「年が上のわりには暴れん坊でガキ」と認識している三輪と、「なんか三輪に嫌われてる」と認識している如月の完全すれ違いなのだが、直る気配はまるでない。
できれば関わらないに越したことはない、という三輪の判断からあまり会話をすることがない。
そんな二人の先程までの会話は防衛任務のシフトについてだった。
「太刀川がいる混合部隊」と聞かされた如月は機嫌を心底悪くした。
本部で有名なほど仲が悪い太刀川と如月。
それは三輪でさえ如月に同情したとかしないとか。
ランク戦にしつこく誘い続けた太刀川が、完全な原因である。
あの迅が満面の笑みで、「完全に、修復なんてムリ!!」と言ったぐらいに。

「まあ防衛任務ぐらいでそう機嫌を悪くするな。
みんなのやる気に左右してくるからな」
「東、お前は仏か?
俺にはムリだな。もとはといえば太刀川から悪いんだ。」

A級気まぐれ炒飯の目の前で、二人の会話が繰り広げられる。
東のシワが増えたのはこの小娘のせいだという噂が囁かれるが、真相は定かではない。
我が儘お嬢様をなだめながら、東は今話題の話に変えた。
弟子の話だ。
あの口の悪い如月が弟子をとった、と噂がされるぐらい話題になっている。
諏訪が「あいつ大人になった!!」と叫んだのも、同時に話題になったらしい。

「あぁ、あのネクラ野郎か」
「・・・・・・ネクラ?」
「おう、ネクラだからな。
お似合いじゃねえか?」

今、この師弟関係がどれだけ続くかで賭けが繰り広げられているらしい。
大抵の人は続かないと予想しているらしく、東もその一人だ。
長く続くに賭けた人は相当なギャンブラーだろう。
それに賭けたのは堤だけだったとか。
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