愛しい師匠 | ナノ


▼ 03.スパルタ教育

「おい!!
てめー耳良いわりにはなんでフェイントごときに引っ掛かるんだ!!
あれでかすり傷を背を負うぐらいなら、俺なら腕を飛ばすぞ。
あと、左の反応がやたら遅い。
敵と自分の距離ぐらい把握しろ。反射神経のなさは笑い者だな」

あんまりの言い方に見ていた犬飼は驚いて辻に寄った。
さりげなく拒否した辻だったが、気にした様子のない犬飼。
目の前で繰り広げられるスパルタ教育に周りがびっくりする。ロビーで正々堂々やらないでいただきたいものだ。
菊地原は聞くのが嫌になり余所見を始めた。
気にせず長々と話し続ける如月にうんざりし始める気持ちはわかる。
加古は相変わらずだな、程度に見守っていた。
戦い方の指摘を通り越してお説教化している。

「うるさいな〜そんな声出さなくても聞こえてるよ」
「聞いてねぇから言ってるんだ。
こら、目をそらすな!!」

途中から子供への説教に見えてきたのは言うまでもない。
一緒にいたことで巻き込まれた歌川は、二人の会話の方が楽しい。
今では説教すら通り越して、子供の言い争いになっている。
「目をそらした」、「聞いていない」、「やる気がない」などなど。さすがに如月が言い過ぎな気もしなくない。
そして最後には二人が戦うと言い出す始末。
当然加減する気のない如月相手に菊地原が勝つ要素が今は見つからない。
いつか勝てる日が来たとしても。
時枝が「如月さんが自分から戦えって言い出すなんて珍しいな」、と思いながら去っていった。
当然ながらボコスコに負ける菊地原。
これから先緑川がメガネをボコスコにした未来のように、レギュラーが大量。

「貴様が俺に口答えするなど早い!!」
「・・・・・・女のくせに口が悪い」
「あ?『女のくせに』とはよく言うな〜
感心させられるぜ、まったく。
まだやるか!?」
「やるなら俺だろ!!」

太刀川がでしゃばって来た。
トリオン体で容赦のない蹴りをする如月。A級1位が吹き飛ぶレアな光景に歓声がでた。出水が口笛を吹いた。
それぐらい綺麗な飛び方だった。

「よし、飯食いに行くか」
「食べるなら焼肉がいい」
「はぁ!?おごるなんて言ってねぇよ!!」

やっぱり歌川も巻き込まれていた。
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