隠された真実(7/15)


「戦争を起こさせたいって話だけど、神託の盾の動き、全然掴めないな」

「神託の盾が戦争を起こさせたい訳じゃないですよぅ」



コーラル城内を探索する一方で、六神将の事を考えている様子のガイの言葉に、アニスが頬を膨らませる。



「ええ。六神将が何処からか密命を受けて独自に動いている可能性が高いわね」



アリエッタから何か情報が掴めるかもしれないけど……と、ティアは呟く。



「根暗ッタは多分詳しい話、知らないんじゃないかなぁ。そもそも密命を受けてってのが似合ってないし」

『アリエッタが親書を狙ってはきたけど、アッシュに脅されたって言ってたし……』

「アッシュって……六神将、鮮血のアッシュの事だろ?」

『おそらくは、ね……』



ていうか、アッシュの奴……アリエッタを脅したのか。頼んだんじゃなくて。ルーク達は導師イオン誘拐の犯人ではあるけど、ライガクイーンの敵じゃないからなぁ……上手く協力させる口実が見付からなかったのだろう。アッシュって無口だし。



『詳しい事情を聞けたら良いんだけど……いっその事、アリエッタも和平に協力してくれないかなぁ』

「サク様がお願いしたら言う事聞きそうな気がしますけどね〜。根暗ッタだし」

『……なるべく、普通に名前で呼んであげてね?アリエッタの事』



本当は現在も私に協力してもらってます。言えないけど。



「…アリエッタの事が心配、ですか?」

『え…?』

「ずっと浮かない顔をしていたので…」



ふとイオンから気遣わし気に苦笑された。…イオンって、結構目敏い。



『…やっぱり、黙って教団出て来ないで、一緒に連れて来れば良かったな……って、ものすごく今更なんだけどね』



本当は、アリエッタではなくシンクを一緒に連れて来る巾だったと後悔しているのだが。アリエッタにはやって欲しい事があったし。けど、シンクは……



「今からでも遅くはないと、僕は思いますよ。アリエッタに事情を話せば、きっと分かって貰えます」

『……そうだね』



ありがとう、とイオンにお礼を言いながら、サクはぎこちなく笑う。イオンはイオンで、何処か曖昧に微笑んでいる。たまに、彼はこんな表情を見せる。もし"導師イオン"が被験者だったらアリエッタを止められただろうか……そんな事を考えていそうな顔だった。



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