タルタロス襲撃(3/11)

侵入者を知らせる警報が、突如艦内にけたたましく鳴り響いた。同時に、衝撃音と大きな揺れに襲われる。



ドガアンッ

『っ……と!』



どうやら六神将が来たらしい。本当にほぼ原作通りのタイミング……ルーク達と一緒に部屋へ戻らなくて良かった。それでも、結構ギリギリだったけどね。

そんな事を頭の片隅で考えながらも、調度近くの部屋から出てきたマルコさんをひっつかまえ、部屋の中に引き込んだ。よし、これで全員だ。

現在、タルタロス艦内はこの一室とルーク達を除いて裳抜けの空である。勿論操縦室も不在であり、タルタロスも自動運転に切り替えて貰ってある。本当に時間がないから急がないと。



「導師サク!?何を…」

『時間がないので単刀直入に言いますね。今から皆さんにはタルタロス艦内から脱出して頂きます!あ、ちなみにコレは親書と共に私宛に届けられたピオニー皇帝陛下からの皇帝勅命ですから☆』



マルコさんを含むあらかじめこの部屋に集めておいたマルクト兵達の間に動揺が走る中、サクは構わずペラリ、と紙を全員に見せるように翳す。ピオニーの筆跡に印まで押してある指令書だ。いや、勅命書か。

エンゲーブへ来る前にグランコクマに寄って、ピオニー皇帝陛下と話は既に着けてきてある。

謁見の後に、陛下と個人的に計画について話し合ってきたからね。現時点でアクゼリュス救助の方も、向こうは向こうで計画が進んで来てる……筈。

そして、マルクト側がアクゼリュス救助隊に派遣する主な人員……それが彼等だ。これもピオニーと話し合いで決めた事。他の兵士の人達は先に現地へ飛ばしたから、残りはマルコさん達のみだ。



『今は時間がありません。詳しい説明はこの手紙に書いてあるので後程ご確認を。あとは現地にいる方達から話を聞いて下さい』



指令書と詳細が記された手紙をマルコさんに無理矢理押し付けた。信じる信じない言ってる場合ではない。兎に角、今は時間がないのだから。

彼等の足元に光った譜陣が現れ、同時に譜陣からフォースフィールドの様なドームが形成される。構成されている音素は、第七音素だ。

いきなりドームの中に閉じ込められてしまったマルコさんを含むマルクト兵の方達が突然の事に更に焦る。



「っ……お待ち下さい、導師サク!」

『では、健闘を祈ります』



ポオン…と音叉が音を弾くと、マルクト兵達は姿を消した。第七音素でコーティングした結界と、第七音素を圧縮させた音叉の先を接触させる事で、疑似超振動を起こさせたのだ。え?細かい原理?基本感覚でやってて自分でも説明出来ないからローレライにでも聞いて下さい。



『さて、と』



これで艦内にはジェイド以外のマルクト兵は全員逃がせた筈。イコール、乗り込んで来た神託の盾達が艦内を占領するのはあっという間だろう。

その間私はどうしょう……あまり逃げ出す気はないんだよね……実は。



ガチャアンッ

「やろーてめーぶっ殺す!」

『………あ』



窓の外を見てたら、調度アニスが落下して行った。意外に展開が早いな…………まあ取り敢えず、例の黒アニスをベストポジションから見れたから良しとするか!

この後は……どうしょうかな。取り敢えずルーク達との合流を目指して…



ガチャ、

『「あ」』

…バタン



……条件反射で扉を閉めちゃったけど、タイミング良く通り掛かった神託の盾兵とバッチリ目が合ってしまった。

やぶぇえ…見付かった。



ガチャ

「導師サク!我々と御同行を…」

『すみまセイントバブル!』

バシャアンッ



神託の盾兵が中に入って来ようとした所でいきなり譜術をぶっ放したら見事命中し、三人とも見事に気絶させる事に成功した。やったね!



- 109 -
*前 | | 次#

(3/11)

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -