天下無敵の緑っ仔3

決闘の場……チーグルの森へと到着したアニス一行。奥深い場所に、アリエッタとクロノ達は待ち構えていた。



「待ちかねた……です!」

「全くだよ。何のサブイベに行ってたんだい?この僕を待たせるなんてさ。それとも地味にレベル上げでもしてたの?」

『ごめんねクロノ、アリエッタ。ゲーム上の都合で…

「………アンタ達さぁ、お願いだからそういう事は言わないでくれる?」



クロノとサクの発言に対し、シンクは心底疲れ切った風にため息をついた。大人の都合って奴だからね。こればっかりは仕方無いのよ。



「面倒だけど、やるならさっさと戦おうよ!」

「威勢がいいな。だが決闘には決まりが必要だ」

『Σえ、ラルゴも居たの!!?』

「掛けるのはお庭番としての誇!です!」

「だからアンタはいつからお庭番とかいうやつになったのよ!?」

「六神将は世を忍ぶ仮の姿、その正体はクロノを陰から御守りする…」

「あ〜はいはい、長ったらしい説明はもう良いよ」

「うっ……アニスの意地悪ぅううう〜!!」



せっかく暗記した決め台詞を途中でアニスに遮られ、アリエッタは涙目である。



「サク、本当に止めないの?」

『まぁ、掛けるのが命じゃないなら、甘んじて…』

「あ、忘れる所だった。一応紹介するけど、立会人はラルゴとアリエッタのお友達のライガね」

忘れるなよ!てか、ライガとか絶対アリエッタ贔屓になるじゃん!しかもラルゴとか関係無いのに完全に巻き込まれてるし!!」

『ラルゴとライガか……関係無いけど、何気に語呂が似てるよね』

「もうアンタは黙って」



最近、シンクがすっかりツッコミ体質になってきた気がする。立会人の存在を忘れ掛けていたクロノの発言にツッコミを入れるシンクを見て、しみじみそう思う。まぁ、私やクロノがボケ要員である事も要因の一つだけど…………ダジャレじゃ無いよ。



「アリエッタは忍術を駆使して戦う。アニスも忍なら、忍術で戦え」

「Σだから忍術って何!?普通に譜術って言いなよ!しかもアタシもアンタも忍じゃないじゃん!!」

「勝敗は、己の主を護りきった方の勝ち、です!」



「な…ちょっと待て!という事は、イオン迄戦闘に加わるのか!?」

「当然でしょ?ガイラルティア・ガーン・ガラパゴス伯爵」

間違え過ぎだ!!俺とティアの名前が混ざってるし、ガーンって何だよガーンって!何にショック受けてんだ!?ファミリーネームに関しては諸島の名前だろソレ!!!」

「髭といいアンタといい、本名が長ったらしいのが悪いんだよ、害」

「漢字に変換するなー!!!」



アリエッタとアニスの会話だった筈なのに、ガイが二人のコントの最中に横槍を入れた所、更なる横槍という名の理不尽過ぎるボケをクロノにかまされ、ファブレ公爵家の元使用人のツッコミが炸裂した。あぁ、話が進まない……空気してないで止めろよラルゴ。立会人なんでしょ?ま、暗黒腹黒魔神クロノの暴言暴挙を止められる人なんて、オールドラント上に存在するとは思えないけど。



「ま、レプリカで身体が劣化してる相手だし、ハンデを上げても良いけど?」

「臨むところです。被験者がその劣化したレプリカに倒されるなんて、面白そうじゃないですか」



あぁ、もう一人腹黒なのが居たよ。同じ顔して……やはりフォミクリーは侮れないね。

ていうか恐いなこの二人。イオンもクロノも導師スマイル全開でめっさ火花散らしてるよ!!あ、ちなみに導師スマイル=営業スマイル(有料、ノットプライスレス)ね。



『……ねぇシンク、せっかくだから私達も参加しない?』

「はぁ?頭に蛆でも沸いた?」

『何か楽しそうだし、シンクも私の導師守護役なんだからさ』

「僕はこんな面倒くさい事に巻き込まれるのはゴメンだよ」

「とか言いながらサクにくっついて来てる君が言える口かい?あぁ、ごめんね。君は体力バカなレプリカだったね」

被験者ぶっ殺す

『流石クロノ。早速シンクをやる気にさせちゃったよ』

「一度サクとは本気でやりあってみたかったからね。良い機会だしさ」

「フフッ、僕とシンクはアウトオブ眼中ですか。気を付けてないと、足元を掬われますよ?」

「イオンの言う通りだね。本当に、何処までもムカツク被験者め…」

「シンク!クロノの悪口は言わない、です!」

「ていうかサク迄戦闘に入って来たら勝ち目無いじゃん!!」

「アニス、僕は信じていますよ?」※特別手当てをプラスしたアニスの給与明細片手にニッコリ

「イオン様勝利の為に、導師守護役の名にかけて、アニスちゃん頑張っちゃいます♪」

「Σアニスの目がガルドに!!」

「ルーク!見ちゃいけません!!」

「おやおや、教育係も大変ですね〜」



こうして、世界の存亡を賭けた最終決戦を前に、各々のプライドを賭けたオールドラント史上最悪世界終末戦争が、ついに幕を開けるのであった。


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