別れの時

シルヴァラントとテセアラ。長きに渡り2つに分断されていた世界は、元の形を取り戻した。ローレライ曰く、今までは世界のマナが偏ったりと安定しなかった為に、元の世界と上手く次元が繋がらず、アシェルも私も戻るのは不可能だったそうだが………これで漸く帰る事が可能になったそうだ。

そんなこんなで、最終的にサクとアシェルの間で超振動を起こして互いの世界に帰る事になった。



「二人共、本当に行っちゃうの…?」

「あぁ。約束した人達がいるんだ。……必ず帰る、って」

『(アシェル……)』



寂しそうな表情のコレットに、アシェルは少し困った風に苦笑する。



「そっか……此れから寂しくなるね」

『コレット…』

「元の世界に帰っても、元気でね。私、サクとアシェルの事、絶対忘れないよ」



嗚呼もう駄目!何でこの子はこんなにも可愛いんだ!!ひしっ、とコレットを抱き締めながらサクは彼女の頭を撫でくり回す。が、呆れ顔のアシェルによって敢えなく引き剥がされた。何するんだ!貴重な最後の抱擁なのに!!



「なぁなぁアシェル!最後にもう一回だけ俺と手合わせしてくれよ!!」

「分かった分かった……ただし、今回は俺も本気でいくぜ?」

『アシェル、大人気ないよ』

「おっしゃあ!挑むところだぁっ!!」

「ロイド頑張って!!」



まぁ、ロイドは実力的にもアシェルに不足はない位成長したのも確かだ。マダオ(クラトス)やミトスを倒せた位だし。

けど……アシェル。子供相手に君が本気を出すのも大人気ないと私は思うんだ。自分に対して初めて本気を出してくれるアシェルに喜んで目を輝かせてるロイドには悪いけど。



「鳳凰翔天駆!」

「グアッ!クソッ、魔神…」

「調子に乗んなぁ!」カッ

「うわぁっ!?オーバーリミッツとか卑怯だぞアシェ…」

「アカシック・トーメントォオオオ!!!」

「ぎゃああああ!!!」

「フフッ、ロイド楽しそう」

『うん……そうだね…』



いつから君はシグムント流になったんだ、とか…何か見覚えのあるダアト式譜術が発動してロイドの絶叫が聞こえた気がしたんですけど、とか……お姉さんはもう知りません。そしてコレット、この一方的な戦いの何処をロイドが楽しんでいるのかお姉さんにも解るように説明してくれ。

この後……五分と経たずに、勝負に決着が着いた。否、明らかに最初から着いてた気がしないでもないが……もうツッコミを入れる気力がないのでスルーします。



「んじゃ、そろそろ行くか!」

『そだね』



瀕死だったロイドの治癒も終え、サクは立ち上がった。



『帰ったらソッチの皆に宜しく。勿論、"アッシュ"にもね』

「あぁ。サクの方も、ソッチの俺達を頼むぜ」



互いに笑い合いながら、アシェルはローレライの鍵を鞘から引き抜き、私は音叉をコンタミで取り出した。



「アシェル!今度会った時はぜってー負けねぇかんな!!」

「ハハッ、そりゃ楽しみだぜ」

『ロイド、コレットを泣かせる様な事はしちゃ駄目だよ?』

「なっ、しねーよ!!//」

「二人とも、本当に有り難う!」

「コレットも元気でな」

『他の皆にも会ったら宜しく言っといて♪』



笑顔で手を振るコレットとロイド(復活するの早ぇ…)。そんな二人に見送られながら、私とアシェルは第七音素を宿した互いの武器を接触させた。

目指すは、各々の世界へ!


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