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大乱闘!強打兄弟

親善大使として、アクゼリュスの民を救助し、またその地にあるパッセージリングで外郭大地の降下作業を行う……という案が和平締結会議の時に出ていたが、前回のトラウマが……というルークの懇願により、今回はアブソーブゲートにてパッセージリングを操作する事に決まった。

そこに向かう途中で偶然出逢ったのが、アッシュを除く六神将達。彼等は別にルーク達を妨害しに来た訳ではなく、単にケテルブルクに旅行で訪れていたんだそうな。ディストは別だけど。

そして現在、俺達は新たなメンバーに加わった六神将達と共に、ロニール雪山にて魔物と戦闘中だ。



「くらえ!皇帝殺戮拳!!」

「物騒な技名を付けないで下さい。サンダーブレード!」

「ぅおっ!?オイコラ可愛くないジェイド!俺に当てる気か!!?」

「ソコッ!ハシャイでないで真面目に戦ってよ!!」



ジェイドの放った譜術がピオニーに当たるギリギリの位置に落ち、抗議するピオニー。そんなふざけてる様にしか見えない二人に、シンクが苛立ちながら正論を飛ばす。皇帝相手に怯まないシンクは色んな意味でスゲーな。

ちなみにこの皇帝陛下、俺達がリグレット達と話してる隙にネフリーさん所に密会しに行ってて、さっきジェイドに連れ戻されたばかりなんだぜ(俺達がディストとの戦闘中の間も含む)。

久しぶりにネフリーと会えたピオニーはますます絶好調な様子で………今の陛下の勢いは、シンクにも、次々と現れる魔物にも止められない。というか、皇帝陛下が魔物相手に肉弾戦って……しかも微妙に強ぇえし。



「ていうか、何でこんなに魔物が次から次へと出て来るんだよ!?」

「ダークボトルってマジでヤベェな!さっき間違えて3本溢しただけでこの効果!この威力!超パネェ!!」

「お前のせいかよっ!!!」



一体何がしたいんだこの皇帝陛下は。エンジョイし過ぎだろ!!アイスウルフを2匹同時に切り捨てながら、相手が皇帝であるにも関わらずに俺は思わず叫ぶ。

いつから陛下はチャラいギャル男になったんだ……って、チャラいのは元からか。



「痛っ!……うぅ、アリエッタ…怪我しちゃった…」

「Σ大変!?リザレクション!!!アリエッタ、大丈夫?」

「Σちょ、かすり傷位でティアってば大袈裟過ぎっ!?」



アリエッタに対して過保護過ぎるティアに、アニスのツッコミが炸裂。が、ティアは全く懲りずに戦闘そっちのけでアリエッタを愛でている様子。

今日が初対面のティアに対して色々と戸惑い気味なアリエッタを見詰めながら、ティアは頬を赤くさせて「嗚呼、可愛い…」と、うっとり呟いている。その間、近づいて来てたイエティにバニシングソロゥを叩き付けていたりする。無意識に。視線を完全にアリエッタに固定したまま、魔物には目もくれずに。

ちなみにアリエッタは、暴走中なティアに対して完全引いていたりするが、ティア本人がその事に全く気付いていないから意味がない。



「よくも僕のアリエッタに傷を付けてくれたね。空破爆炎弾!!

ギャアーッ!!?

「Σちょ、ガイ――!!?おいシンク!魔物じゃなくて何でガイに攻撃してんだよ!?」

「アリエッタを傷付けた魔物を僕より先にコイツが切っちゃったからね。その腹いせに決まってるでしょ」

「意味わかんぬぇーよ!!!」

「!危ないルーク!プリズムバレット!!

「Σギャアアアア!!?ちょ、リグレット!当たらない事に定評がある技を使うなぁっ!!」



ていうか敵単体に対して広範囲技をワザワザ使うなよ!(オヤジギャグじゃぬぇーからな!ちなみに)むしろ今のって本当に俺を助けようとしたのか?ちょっと疑っちまうぞ俺!?



「お父様、次はあちらのアイスバットを狙いますわ!」

「頑張れメリル!!お前なら出来る!」



ナタリア……ラルゴをロボットみたいに乗り回してんじゃぬぇー!!いつまで肩に乗ってるつもりだよ!!?てか、ラルゴも戦闘中まで親バカ全開にしてんじゃぬぇー!!!



「…イオン様、音叉で魔物を殴り倒すのは楽しいですか?」

「実に爽快ですね☆」


イオンの音叉が魔物の返り血で赤く染まる一方、イオンはかなり良い笑顔だ。ジェイドに負けず劣らず。つーか、イオンまで戦ってるけど良いのかコレ!?むしろイオンは嬉々として参戦してるっぽいけど。否、それより病弱設定は何処行った。



「ご主人様、サボりはいけないですのミュウファイヤ―――!」

「あちぃー!!?イラプションかっ!!



ちなみに、この大乱闘はダークボトルの効果が切れるまでこの後一時間掛かったのであった。なんつーか、俺達全員馬鹿だろ。


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