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旅は道連れ世は×××

まさか、ディストの登場にまるまる一話分を持っていかれるとは思ってなかったぜ。

取り敢えず、ジェイドがディストから聞き出した話をまとめるとこんな感じになった。

どうやらディストも逆行しているらしく、前回殺されかけたにも関わらず、今回も懲りずにレプリカネビリム復活を企んでいたらしい。

んで、触媒を使わずに復活させる方法を研究の末に見つけたとかで、その計画を実行させる為に、髭に「助け出す条件に自分の計画に手を貸せ」という条件を付けて髭を脱獄させるも、此処に着くなり早々に逃げられたらしい。

かなり、余計な事してくれたぜ……せっかくヴァン師匠に邪魔されずに作業が出来ると思ってたのによ。どーしてくれんだ。



「ご主人様、お顔がアッシュさんになってますの」

「不可抗力だ…」



眉間の皺がアッシュ並に刻まれていたらしい。ミュウの言葉に、俺は更にげんなりと肩を落とした。

まぁ、逃げた先がアブソーブゲートだっていう証言もあったし、ダアト式封呪も解いてないから、パッセージリングの場所迄侵入される心配もねぇしな。どうせこの先の何処かに隠れてる可能性が高いだろう。



「ルーク、我々もお前達の作戦に付き合おう」

「マジで?てか、有休は良いのかよ?」

「上司の尻拭いをするのが部下の努めであるからな。非常に不本意ではあるのだが…」



とか何とか言いながら、譜銃を握り締めているリグレット。あれ、ひょっとして脱獄騒ぎに便乗して殺る気ですか?



「リグレットは兎も角……ラルゴは良いのかよ?」

「大丈夫だ。娘は俺が守るからな」

「流石お父様ですわ!」

「いや、そうじゃなくて………もういいや」



何か、ラルゴが父性に目覚めてる。

ナタリアの奴もいつの間にかラルゴの肩に乗せて貰う程親しくなってるし……アッシュが来たら面倒な事になりそうだよな。うん。娘はやらん!的な具合に。



「僕とアリエッタも別にどーでも良いよ。だって髭だし」

「総長、イオン様の事で…アリエッタを騙してた……抱腹してやる…です」

「そ、そうか…(Σ何気にアリエッタ恐ええー!!)」



降下作戦において一番警戒していたのが、六神将達による妨害……だったのだが、この調子だと今回は警戒する必要はなさそうだ。俺達に対して敵意皆無なシンクとアリエッタも含めて。ディストは既に瀕死の状態だしな。

つーか、色んな人達が逆行し過ぎてて、もともと穴だらけだった髭の計画が、今回は既に計画の段階で色々と破綻してる気がするのは……俺の気のせいじゃないと思う。否、これはむしろ今更だな。


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