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【最初からそう言えよ】
「ローズさん、すみませんが少しだけ席を外して頂けないでしょうか?」
「えぇ、構いませんよ。導師イオン様の頼みとあっちゃ、断れないしねぇ」
イオンからの頼みにローズさんは気を悪くした様子もなく、集まっていた村人達と共に何処かへと出掛けて行った。……あぁ、前回と違って食料泥棒騒ぎも無いから、今回はイオンもローズさん宅に大人しくいたのか………つーかイオン居たのかよ!ジェイドに隠れるよう指示されていたのか、部屋の奥に居たから気付かなかったぜ。ルークがそんな事を考えてる一方で、ジェイドがイオンにお礼を言っている。
…ん?ていうか何で人払い?
「では改めまして。……お久し振りです、ルーク」
「………やっぱジェイドも"戻って"来てんじゃねーか」
先程迄とは違い、親し気に話し掛けてきたジェイドに、ルークは思わず半眼する。ジェイドの事だ。確信が持てなかったもので、とかなんとか平然とぬかすんだろうぜ。
「いや〜、また性懲りもなく前回と同じ様に漆黒の翼と間違われて現れたので、私はてっきり"戻って"きていないのかと思いましたよ」
「嫌味か?嫌味だよなソレ?俺はそこまで学習能力が無い奴と思われてるのか?」
「嫌ですねぇ。冗談に決まってるじゃありませんかv三割は」
「Σやっぱほとんど嫌味じゃねーか!!」
畜生、まだ林檎を買う所か金を払わずに食ってすらいぬぇーよ!前回と違ってな!全く、つくづくエンゲーブは観光客に対して優しくない街だぜ。本当に。
「少なくとも、貴方が変わろうとすれば変われる事は知っていますよ。ここにいる全員がね」
「!ジェイド……」
「何にせよ、ルークが無事で安心しました」
珍しく苦笑を浮かべるジェイドを見て、ルークは思わずそうだよなぁ……と改めて逆行してきた事を実感する。ローレライを解放する時で今生の別れだって覚悟はしてたし、本当に約束した通りまたこうして皆と出会えるとは……正直、叶わない願いだと思ってたし。戻ってくると約束して戻って来た場所が過去なのはさておき。ヤベッ、俺今なんか泣いちまいそうだ!!
「はうわ!ていうかルーク達前回よりもエンゲーブに来るのが1日早くない!?何で!!?」
……うん。今回は部屋の奥からイオンに続いて顔を出したアニスが再会の雰囲気とか色々とぶち壊してくれたぜ。エンゲーブに来る前はナタリアの登場にやられたけどな!
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