02

髭と俺

ヴァンが来てる、と朝食の席に呼ばれたのは俺が頭をかきむしってウガーッと悩んですぐの事だった。

本当に過去と同じだと思う半面、つーかヴァン師匠にどんな顔して会えば良いんだよ、と新たに頭を抱えた。

俺ヴァン師匠斬っちゃったよ。気まず過ぎだろ。てか、全てを知ってる今かつてのこの頃みたいに「師匠!」って素直に喜べねぇよ。むしろ嫌悪してる位なんですけど。やべぇな、俺って嘘下手なのに。仲間全員に見抜かれる位。



「どうしたルーク?今日は元気がないな」

「え?あぁ……(お前も原因の一つなんだよ!)」

「元気を出せ、ルーク。暫く手合わせが出来ぬ分、今日はとことん稽古に付き合うぞ」



い ら ね え よ !

付き合わなくて良いからサッサとイオンの捜索に行けやこの髭!……否、むしろ今此処で俺の事を甘く見て油断仕切ってるヴァン師匠を返り討ちにして止めを刺しとく巾か?←

そうこうしてる間に、中庭でヴァン師匠から稽古を受ける事に話がホイホイ進んだ。……あ、そうだ。



「師匠!今日は真剣でやろうぜ?」

「Σ!?」



人形を用意してたヴァンが一瞬驚く。何だよ、いきなり何を言い出すんだこのレプリカはみたいな顔してんじゃぬぇーよ。馬鹿にしてんのか?否、してんのか。



「俺、こんなショボい人形じゃなくて師匠と殺りたい!」

「ふふっ、まだお前には早い…それに、字の変換を間違ってるぞ」

「(別に間違ってぬぇー)」



結局却下されてしまった為、稽古は前回と同じ様に木刀でやる事になっちまった。このままだと初期装備の木刀でまた旅に出るのか?勘弁してくれよな。いっそ、ローレライの鍵が欲しい所だぜ。


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