01
【え、逆行ですか?】
気が付くと、俺は見慣れた部屋のベッドの上で寝ていた。驚いて飛び起きた俺は、この部屋がファブレ家の屋敷で"ルーク"の部屋である事に気付いた。
確かローレライを解放して、アイツが驚嘆に〜とか言ってた時に音素解離が進んで………そっから記憶がない。あれ?俺がここにいるって事は、俺って本当に戻って来れたのか?どうやって?
そして次に気付いた違和感が首筋。サラリと流れた長髪に俺は更に首を傾げた。確か髪を切って短くなってた筈……いつの間に伸びたんだ?これじゃあ以前に戻ったみたいじゃ……
………戻って?
「一体どうなってんだ…?」
「何がだよ?」
「Σおわぁ、ガイ!!?」
窓から部屋へ忍び込んできたガイに声を掛けられ、ビビるルーク。何か、ガイのこの登場の仕方も随分久しぶりな気がする……否、それどころじゃねぇ。
「なぁガイ、今日っていつだ?」
「ルークお前、また記憶が…?」
「違ぇよっ!その……そう!度忘れだ!!」
「レムデーカン・レム・23の日だぜ」
「レム・23の……(って、今日ってティアが襲撃に来る日じゃねぇかよ!!)」
衝撃の事実に気付き、驚愕するルーク。まさか本当に戻って来たのか……?記憶喪失の後遺症かと心配しながらも、見付かると不味いからと去って行ったガイを見送りながら、ルークは呆然となる。
確かに俺は戻ってくると約束した。が、こんな風に過去へ戻ってくるとは約束しなかった。
ローレライに言ったら「え、違ったの?」なんてしらばっくれそうだ。何故かルークの中でノリが軽いイメージな第七音素意識集合体である。
そしてガイの先程の反応から察するに、彼は俺とは違って"この時のガイ"のままらしい。その事がルークにとっては少し寂しく、そして複雑だ。
え、ていうか此れから俺どうしょう。夢オチ……じゃなさそうだし。仮に此処が過去だとして、そうするとまたあの時と同じ様に未来は進むのか?預言で親善大使に任命されて、ヴァン師匠に騙されてアクゼリュスを崩落させて、仲間達から見放されて………うわああぁぁ、フザケンナよマジ鬱になりそうじゃねーか。
こんな過去に戻されて、一体どーしたら良いんだよローレライ。
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