不協和音、崩壊
「止まれ!」
峠の出口付近、先頭を歩くルークの足下に突如銃弾が撃ち込まれた。声が降ってきた上方を見上げると、崖の上に二丁の譜銃を撃ち下ろしたリグレットがいた。今日もお綺麗ですねリグレット姉さん。
「ティア。何故そんな奴らといつまでも行動を共にしている」
銃口を此方に向けたまま、瞬きも見せずにリグレットは言った。
「モース様のご命令です!教官こそどうしてイオン様を拐ってセフィロトを回っているのですか!!」
「人間の自由と意志を勝ち取る為だ」
「…どういう意味ですか」
眉根を寄せるティアに、リグレットが淡々と話す。
「この世界は預言に支配されている。何をするのにも預言を詠み、それに従って生きるなど、おかしいと思わないか?」
「預言は人を支配するのではなく、人が正しい道を進む為の道具にすぎません!」
イオンが前に出ようとし、銃口がそれを追うのを見て彼の傍にいたナタリアが弓矢を持つ手でイオンがそれ以上前に出るのを制した。さりげなくなっちゃんカッケー!
「導師、あなたはそうでもこの世界の多くの人々は預言に頼り支配されている。酷い者になれば夕食の献立すら預言に頼る始末だ。お前達もそうだろう」
銃口がアニスに向けられ、彼女はごくりと唾を飲み込んだ。
「そこまで酷くはないけど…預言に未来が詠まれているなら、その通りに生きた方が…」
「誕生日に詠まれる預言は、それなりに参考になるしな」
考えながら意見を述べるアニスに、ガイも賛成した。
「そうですわ。それに生まれた時から自分の預言を聞いていますのよ。だから…」
ナタリアは更に主張しようとしたが、上手く言葉が続かない。
「…結局の所、預言に頼るのは楽な生き方なんですよ」
『でも、だからといって世界を預言から解放する為に人類全てをレプリカと入れ替えるという計画は極論過ぎやしませんか?』
「そういうこ……え?」
『いくらホド島がマルクトの隠蔽工作の為に戦争に乗じてヴァンに超振動を使わせて消滅させられた挙げ句に、実は全部預言通りに起こされた予定調和な茶番なんだぜ!って事実を知って世界に絶望したから復讐の銘木に人類レプリカ計画を企てるなんてっ。そんなお門違いな復讐で私という善良な市民が捲き込まれる位なら、ヴァンデスデルカ・ムスカ・フェンデにバルスかまして止めるしかないじゃない!』
「き、貴様!何故そこまで知っ…」
『しかも、ルークを騙して超振動使わせてアクゼリュス崩落するからメシュティアリカ・アウラ・フェンデが危ねぇ頼むジゼル・オスロー私の妹をアクゼリュスに近付けないよう助けてくれがシスコン髭からの命令とかリグレットまじ乙。てか、ルークがアッシュのレプリカだからといって出来損ない呼ばわりするなよレプリカでも王族だよルーク・フォン・ファブレ・レプリカに在らせられるんだよ不敬でダアト滅亡ワロス!あ、7年位前にアッシュを誘拐した時点で髭はオワタだったねしかも誘拐してレプリカ作ってすげ替えたとか不敬どころじゃすまねーよww』
「すみません、何処からツッコめばよろしいでしょう?」
『ラピュタ王のくだりからでおk』
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オチが無いので途中で強制終了です(笑
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