04
「にしても・・・弥月が事故にあったと言われたときは驚いたぞ。」
『え、あ、うん。』
「だが、儂等のことを、思い出してくれたんだな、それはうれしかった。」
駆け寄ってきた男・・。
否、徳川家康・・・あの日、三成さんに殺されたその人
でも、今は、あのときのような笑顔でここにいる。
曇りの無い綺麗な瞳とまっさらな空のような笑顔で。
『いや、だって私さ・・・』
「三成はな、弥月がひき逃げにあったって聞いた日にすぐに弥月の搬送された病院まで行ったんだぞ?
しかも走ってだ、さすがの儂もおどろいたなぁ、だが犯人はすぐに捕まって、そのときは儂も殴ったぞ。」
『・・・』
なんだろう、
家康に殴られたその人もすごく不憫だと思うが・・・家康、前と凄く性格が変わっている気がする・・・
でも、やっぱりこれは時間の流れなのだろうか・・・
「あぁ、そうだ、
今度半兵衛殿たちに会いに行かないか?
半兵衛殿たちも弥月のことを心配していたしな」
『え・・』
「はは、あの方々も健在だぞ、 さすがに秀吉殿はあの頃のように大きくは無いがな。」
あぁ、でも・・
未来が変わってるってことは、半兵衛様の病も治ったって言うことだろう
もしかしたら半兵衛様は病になっていないのかもしれない。
でも・・・
『うん、会いに・・行きたいな・・・』
あの人たちは大切な人だから。
執筆日 20130512
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