02




「おい、田沼!!」

『ちょ、教師が廊下を走ってどうするんですか!!』



だだだだだっ


人の大勢いる廊下を全力疾走で走る。
こっちは病み上がりだって言うのに、全力疾走ってどうかとおもうが、だがしかし、掴まる気はない。

課題なんてやるもんか。


こっちは調べることがたくさんある。

生徒の驚きの声やら他の教師の注意。
放送の音とか、いろいろなものが耳に届くが気にしてなんかられない。



『(階段ならっ)』



一気にスピードを上げられる。
しかも下りだからこっちの方が有利だ



手すりを掴まず、2段抜かしで降りて行く、


4階、 踊り場、3階



「弥月?!」



そして、そのまま曲がろうとしたとき、私の名を、叫ぶ人の声、
聞きなれた、・・・否、懐かしいような声にはっとして振り返った、


ソレがいけなかった。



踏み出そうとした足が、ずるりっと階段の段差から滑る。

慌てて私に手を伸ばすその男、


でも、届きそうにも無い。



『(っ落ちる!?)』



無重力の中に落ちるかのように、体が傾いた。

佐助に落とされたときのことを思い出したけれど、あの時は下は海。
今は、階段。


あぁ、また怪我するのか・・・なんて、呆れてしまったが。










「何をしている。」


『!?』




身体に痛みはこなくて、

かかったのは、ずっと支えたかった人の声



執筆日 20130510


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