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『意味・・・わかんない・・・』


はぁっとため息をつくのは仕方ないだろう。

帰って来たとき、私が眼を覚ましたのは病院だった。
無機質な真っ白な部屋に響く電子音。


体を起こせば大分痛みがあったが、でも、動けないほどじゃなくて

で、病室から出ようとすれば「お嬢様!」なんて引き止められ、ベットに戻され、結局私は1週間の検査入院をさせられた


そんなお金がどこから出てくるのか全くもって分からなかったが家に帰ってから我が目を疑った。



国宝とか、うん、そこら辺に指定されそうな日本屋敷。

中から出てきたのはこれまた細かい刺繍で、でも派手すぎない着物に身を包んだ母さん。

弟も、なぜか袴に弓という装備で出てきた。

さすがに引いたが、「姉さんだってやってたじゃん」なんていわれてあっけに取られてしまった。


なんか、ここだけ時代が取り残されている感じだが、一番驚いたのが私が私立高校に通っていたということだ。

現在進行形でその高校の中に居るし・・・



『(っていうか・・・)』



図書室の歴史物を漁っていた。
無論、戦国時代のものを、

そこには、私の知っていたはずの史実はなく



『関ヶ原の戦いは・・・西軍の石田三成の・・・勝利・・・か・・』


主君を失った石田三成は戦友であった徳川家康を討つ為関ヶ原へと向かった。
彼を支えたのは、大谷吉継ととある戦場で拾った猫だったという。


関ヶ原の戦いで大谷吉継を失ない再び心を閉ざした石田三成のそばにはずっと猫がついていたという。





あぁ、こんなに史実が変わっているんだ。
猫なんて、三成は飼っていなかったけど。


でも、変わっていないのはきっと私だけ、
だけど、変わることなんて、きっと許されない。




『・・・三成・・・』



そっと、紙の上の名を撫でた



執筆日 20130510


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