05




何が起きているのか・・・理解しきれていないのだが・・・。


ぐいぐいと手を引かれて歩く。
私の手を引くのは、三成さんだ。

夜なのに、彼が私の元へ訪れることすら珍しいし、良く私の居場所が分かるな・・・

なんて思ったが、私が居たのは半兵衛様の元私室だ。
ばれるのは簡単だろう。

一応は、まぁ、うん、刑部さんの代理人の軍師なんだけどね。



『み、つなりさ・・・』

「・・・」

『あ、あの、どうしっ  うわっ!』



でも、ある部屋の扉が開けられてその中に突き飛ばされる。
小さく悲鳴をあげてしまったが、畳の上にスライディング


・・・かとおもったが私の落とされたのは布団の上。
そんなに痛みはなかったが、ふわりと香りが舞う。

座った大勢から体を起こそうとしたが、否、上から三成さんの手が押し、ボスッと布団に押し倒される。



『み、つなりさ・・・』



他の人から見れば完璧に勘違いするだろう、そんな体勢、
至近距離で変に心臓が高鳴る。


でも、ボフッと、三成さんは私の横へと倒れこむ。
それに身体を震わせてしまったが、手探りでバフッと毛布がかけられた。

その行動に驚いてしまうが、でも、否、三成さんはそのまま私の髪を撫でる。



『え、どうし』

「寝ろ。」

『え・・・?』

「寝ていないんだろう?」



きょとんっとしてしまったが、三成さんの目が細められる。
寝ていないって・・・なんで知っているんだろう・・・

なんて、思っていたら、そっと肩に手を置かれる。



「気がつかないかと思ったのか。」

『いや・・』

「それとも、私の元から早く去りたいか?」

『っ違う』




そして、紡がれる言葉。
ぞっとする。



なんで、そんなことをいうのか。

そんなこと言わないで欲しいと否定の言葉を発すれば三成さんはため息をつく。




「ならば、急くな。」

『っ』

「半兵衛様のようにがんばる必要は無い、己のペースで進め、そう言ったのは弥月だろう?」

『っはい』

「休め、命令だ。」




やさしく抱きしめられる


あぁ、なんて酷い人だ。


なんてだんだんとおちて行く意識の中で思った



執筆日 20130507


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