06



寒い冬が終わった。


「急くな」といわれたから自分のペースで。
大体の土台が出来、医療関係も歩君に引き継いだ。


三成さんは大分渋ったけれど幕府は大阪ではなく江戸へと移動する計画を立てた。


鎖国状態も近々解く。
確かに宗教の力は怖いが、無理に抑える必要も無い。

少し昔にザビーっていう変人が居たらしいが怪しい行動をすれば裁けばいい。



『・・・』



勿論、戦争とかは防ぐことはできないだろう。
だから、私はたった一文だけ文書を書いた

三成さんが気がついてくれれば嬉しいけれど・・・


何時見つかるのだろうか、少し楽しみだ。

もう使わないであろう銃のリボルバーに紙を小さく折り畳んで、それで一番最初に半兵衛様が下さった桐の箱に剣と一緒に入れる。



『もう、やることはない・・よね。』



そう・・・私がやれることはない。
だから、もう・・・



「弥月?」

『今、行きます。』



私の本来ある場所へと帰るだけだ。




*-*永遠之平和*-*



荒れた土地に立つ。

変に心臓がなる。

私の後に馬から下りた三成さんを見て、眼を細めた。



「今まで、悪かった。」

『いえ、私も助けてもらってばっかりだったから。
 落ちて来たのが貴方のところでよかったっ』



かけられた言葉に、涙が流れそうだった。
後戻りはしないと決めた矢先そんなことを考えてしまうから・・・


だから、もう、振り返らない。



「私は、別れなど言わない。」

『え・・・』

「この空はすべて繋がっているのだろう?」


柔らかく、三成さんが微笑んだ。
あぁ、そうか



『はい。』

「・・・次に会うときは敬語を使うな、わかったか。」

『肝に免じておきます。』



さわり、この場に似つかわしくない優しい風が吹く。


『また、三成・・・っ』

「あぁ」



ふわりと、また、風が吹いた。






猫は、光に導かれ




執筆日 20130507


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