05




反響する音

鈍い光

三成さんの一撃、一撃が早すぎて見えず、白い戦装束がだんだんと赤く染まって行く。



『っかは!』



刀の峰が腹に叩き込まれ、そのまま飛ばされて地面を転がった。
じんわりと、だんだんと痛みが増して行く。


痛い・・・イタイ・・・でも・・・っ



『・・・っぅ・・』



グッと腕に力を入れて、起き上がる。
何度だって何度だって、飛ばされてやる。

それで、彼が元に戻るのなら、


体中に染み付いた恐怖で、足が震えて力がはいらないけれど、しっかりと、立ち上がった。



「・・・まだ立ち上がるのか。」

『っなんど、だって・・・』



カチャリ、と金属が音をたてた。


足に力を入れて、両の手に竜の爪を持って、駆け上がる。




『いい加減、眼を覚ませ!!』



叫ぶ。


ひとつの言葉を、今まで一線を引いていたその壁を、ぶち壊して




『三成!!!』



どうか、彼に手が届くように
銀に輝く刃を、地面に突き刺す。


私が纏うのは、まだまだ弱いけれど、暖かい光。



地面に一瞬光がさせば、空中に巻き上がるように光は天へ・・・。



でも、しょせんそれも囮。
単に意識をそちらに向けるためのもの

私にはこの力を使いこなす力は無い。


刀を地面に突き刺したまま、飛ぶ。


見えたのは、三成さんが・・・三成が私に向かって刀を振りおろすところ、
もう、いっそ、腕一本もっていけ、と


左手首を犠牲にする勢いでその刀を受け止めた







執筆日 20130428


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