10

*-*Side Yukimura*-*




「政宗殿!」

「Hey、久しぶりだな、真田幸村。」



久しくあっていなかった政宗殿のもとへと、片倉殿に呼ばれてやってきた。

無論、片倉殿からすべては聞いた。
今回は、弥月殿のこともあるのだが、少々心配事があるため、俺も一緒に来ていた。



「お久しゅうございます。
 政宗殿、某、お話しておきたいことがございます。」

「・・・Fum・・・小十郎、魔王の妹は任せたぜ」

「承知」



佐助はすでにこちらに来ているらしい。
弥月殿のことが心配だったのだろう、見つかってはよかったが、仕事を放棄されるのは困る。

佐助が俺にとって一番の情報源なのだから。


そこで、片倉殿と武田で預かっているお市殿と別れて、政宗殿と進む
あいかわらず不思議な南蛮の道具がところどころ置かれているが、あれから少し増えたようだ。

だが、そこではない。


奥。


政宗殿の私室に通されて、座る。
女中殿が持ってきてくれた茶を片手に、息を吐いた。



「で、話ってなんだ?」

「・・・石田殿のことにござる。」

「Ah?石田がどうしたってんだ」



話しの本題は、多分、一番奥州が関係することにござろう。
武田はうまく、やり過ごすつもりだが、ここはそうはいかない。














「石田殿が弥月殿を探し、各地の大名を襲っていると、」

「・・・」

「某の元に連絡が来たのは昨日の夜。場所は三河でござった。」

「随分とはえぇな。」

「ですが、そこから動いていないと・・・」






石田殿は、きっと、待っているにござる。

彼女を・・・





執筆日 20130422


[ 59/80 ]

[*prev] [next#]
[戻る]
[しおりを挟む]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -