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*-*Side Yukimura*-*
「政宗殿!」
「Hey、久しぶりだな、真田幸村。」
久しくあっていなかった政宗殿のもとへと、片倉殿に呼ばれてやってきた。
無論、片倉殿からすべては聞いた。
今回は、弥月殿のこともあるのだが、少々心配事があるため、俺も一緒に来ていた。
「お久しゅうございます。
政宗殿、某、お話しておきたいことがございます。」
「・・・Fum・・・小十郎、魔王の妹は任せたぜ」
「承知」
佐助はすでにこちらに来ているらしい。
弥月殿のことが心配だったのだろう、見つかってはよかったが、仕事を放棄されるのは困る。
佐助が俺にとって一番の情報源なのだから。
そこで、片倉殿と武田で預かっているお市殿と別れて、政宗殿と進む
あいかわらず不思議な南蛮の道具がところどころ置かれているが、あれから少し増えたようだ。
だが、そこではない。
奥。
政宗殿の私室に通されて、座る。
女中殿が持ってきてくれた茶を片手に、息を吐いた。
「で、話ってなんだ?」
「・・・石田殿のことにござる。」
「Ah?石田がどうしたってんだ」
話しの本題は、多分、一番奥州が関係することにござろう。
武田はうまく、やり過ごすつもりだが、ここはそうはいかない。
「石田殿が弥月殿を探し、各地の大名を襲っていると、」
「・・・」
「某の元に連絡が来たのは昨日の夜。場所は三河でござった。」
「随分とはえぇな。」
「ですが、そこから動いていないと・・・」
石田殿は、きっと、待っているにござる。
彼女を・・・
執筆日 20130422
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