04
『・・・』
ジンワリと、血の流れる口元を拭う。
だんだんと三成さんの狂気は激しくなり、部屋にこもるようになってしまった。
最後にはいつも謝って、すがってくるから何もいえないけれど・・・
でも・・・この戦で三成さんたくさんのものを喪ったんだから仕方ない。
私だって、怖い。
これ以上、何かを喪うことが・・・
そういえば、家康が裏切る少し前・・・私は家康に「失うものが多い世界」だと言った。
もしかしたら、家康は私の言葉を気にしていたのだろうか・・・。
「弥月さん!」
『歩君・・・
もしかしてこんな時間まで青カビの観察やってたの?』
なんて、思っていたら後ろから声をかけられて、そして彼の手にもたれていたのは青カビを繁殖させているうちの一つの小瓶。
正式名称はたしかペニシリン・・だったはず・・・だけど、某ドラマの作り方で本当に出来るのかわからないがやってみようっていう私の挑戦。
で、最初の状態である青カビ集め中。
でも、始めたきっかけは、刑部さんだったから・・・・。
彼の病を治したかった。
梅毒なら、同じこの薬で、いけるはずだったから
『そういえば、奥州から送ってもらったみかんもそろそろだよね?』
「あ! そうだ。そっちも見なくちゃね。」
『それから発注してたやつもそろそろいいはずなんだけど・・・』
「あ、それ業者さんが明後日くるって」
『そっか。』
まぁ、それにはろ過するための物も必要だから注文してた。
それに感染症を防ぐためのものだから。
だけどそれには注射器も必要なわけで、この時代にそんなものはあるはず無い。
だから同じように簪を作っている業者に頼んでは見たが、まだ分からない。
それに一番は
今の日ノ本を、泰平に導くことだから。
だから、これは一つの方法にしか過ぎない
執筆日 20130412
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