04
『交渉決裂っと・・・』
「鶴の字は東軍っつーことか・・・」
海の上。
伊予河軍の船から救出された私は、元親の船に戻ってきた。
それからの会話。
「石田はキレるだろうな。」
『だよね、
でも刑部さんにしか報告しないけど、』
でも、問題はこれからだ。
海神の巫
もとい、預言者が家康側についたということは、家康は私の知らない変わり行く時代を見ることが出来るということだ。
そうすれば、元々不利なのに、さらに不利になっていく。
っていうことだろうな・・・。
私の心情と裏腹に、海はただ穏やかなもので、苦笑いするしかない。
「いいのか?」
『うん。
第一今回は刑部さんに言われたことだしね。
三成さんもそれは了解してる、』
なら、平気・・・だとは思うのだけれど・・・。
ただ、刑部さんがどんな反応をするのかが疑問だが・・・
どうしよう・・・三成さんに怒られたら立ち直れないかも。
『って・・・すっごく疑問に思ったんだけどさ、さやかってあの雑賀孫市なの?』
でも、ふっと疑問に思ったことを言えば、元親はキョトンッと私を見た。
それからあさっての方向をみて、あー・・・っとぼやくようにため息をつく
「なんつーか・・・。俺も昔は弥三郎って言われてたしな。
サヤカは雑賀集の三代目で、継ぐ時にサヤカの名を捨てたんだよ、
元服みたいな感じだな。」
『ふぅん。』
「そういや女にはないんだったな。
っつーかお前、なんで石田と一緒にいるんだよ」
『私、元民衆。
戦に巻き込まれて、でもその前は蘭学について勉強してた。』
元親の説明に納得、
元服、見たいなものか・。
なるほど。
でも、もったいない。
サヤカなんて綺麗な名前を・・
ま、いっか。
今は帰るのが優先だ。
執筆日 20130322
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