「やぁ政宗君!我輩の庭で何をしてるんだね!」
『Oh・・・とりあえず普通に挨拶しやがれ』
突然空から降って来た叔父になんていえばいいのやら・・・
パンパンっと若葉色のコートのような服についた雪を払いながらそういう。
・・・まぁ、確かにお前の領地なら「我輩の庭」って言ってもいいとおもうんだけど・・・
いや、空から落ちてきたのが一番の疑問だが・・・
「で?こんなところでどうしたのかね」
『・・・見てわかんねぇか』
「ふぅむ・・・」
『NO・・・わからなくていい』
だが、ご自慢のひげを触りながら「むむむ・・・」と考えこむ姿はさっそく叔父として見たくはないが・・
つーかなんなんだよ・・・っていう・・・
でも、いきなりぽんっと納得したように手を叩くと、びしぃ!っと私を指さした
「なるほど!政宗君は我輩の作った落とし穴に落ちたのだね!」
『・・・落とし穴って・・・』
「なに!落とし穴というよりも足場崩しというものだ!
我輩の傑作なのだよ!」
・・・
パチ・・・
思わず刀が稲妻を発したのは仕方ないだろう。
そうか・・・ぁあ、そうかよ・・・
『おい、紳士(ジェントルマン)』
「その、じぇんとるまんとはなにかはしらないが、なんだね、政宗君」
『お前、妹に嫌われる覚悟しておけ。』
私が小十郎たちとはぐれたのも疾風が怪我をしたのも、
全部こいつのせいだってことだな!
まぁ、とりあえず・・・
『(小十郎の小言は回避、だな)』
さすがに、母上の前で怒られるのはやだ
「政宗様!!」
最上の城・・・まぁ、そのまま最上城と呼ぶが・・・
其処に着けば一番に私の姿を見た小十郎が駆けてきた。
そして、家臣や叔父の前にもかかわらず、私の肩を両手で掴むと、ホッとしたように表情をゆがめる。あぁ、心配をかけてしまったと・・・視線を動かして、『すまない』と一言言った。
そうすれば、はっとしたように手が離れ「俺も、取り乱しもうしわけありません」と言われた。で、互いに苦笑い、
「我輩が見つけてきたのだよ!感謝したまえ片倉君!」
『テメェのせいではぐれたんだろうが!』
まぁ、この紳士があの罠さえ仕掛けなきゃ疾風は怪我をすることもなく、私も小十郎たちとはぐれはしなかったんだがな、
・・・Shit!
「政宗。」
けれど、そんな口論をする、気も・・・ただのその一声で失せた
振り返れば其処には確かにその人がいて・・
横には成実と綱が居る。
『っ母上!』
タタッと小十郎と最上から離れてその人の下まで行く。
そうすれば、ふわりと微笑んだ。
「ごめんなさいね、兄様が」
『母上のせいではありません!謝らないで下さい』
「でも、自分でつくった仕掛けに自分で引っかかってしまうのが兄様なのよ?」
だが、告げられた真実にきょとんっとしてしまった。
自分の作った罠にかかる国主ってどうだよっていう・・・えぇ・・・
「まぁ、外での話しもあれだからね! 政宗君、我輩の屋敷に入りたまえ、話したいことがあるのだろう?」
まぁ、ひとまず合流できたから・・・いいとするか・・・
執筆日 20130809
執筆日 20130808