『頼むから俺が死んだ後に呼び戻してくれるなよ?』


はぁっと大きくため息をついて、目の前で「ほぅ、ほぅ」と香をたいているおじいちゃん・・否彼が現南部領の国主なのだけれど・・・その人を見て、やはり、もう一度ため息、

人の話を聞いてるんだか、聞いてないんだかよく分からないが・・・。


「主がよぅて来なければ良い話しよ。」
『いや、死んだ後に現実味のない世界に引っ張り出されたくはねぇな。』
「ほぅほぅ・・・」
「・・・政宗様。」


だが、そういわれれば確かにそうだが・・・。死んだ後に後悔が残っていれば、生き返ってしまうかもしれないな・・・なんて・・・

いや・・・もう一度死んだ身だそれは勘弁したいところ。

小十郎から言われて、一つ頷きそして紙を出す。そうだ、ここで時間を取るわけにも行かない。


『南部領は、この書状を見る限り伊達に組するってことでいいんだよな?』
「我ももう年老いておる。」
『いや、話が、』
「我の力量では、これ以上ここをまもることは出来ぬゆえ」


話がずれた、といおうとしたが、
その前に言われた言葉に、静かに口を閉じた。


「主に任せる、ゆえに、伊達の傘下に南部は組するぞ」

『懸命な判断だと思うぜ、俺は期待は裏切らねぇ主義だからな。』


そう、だ。助けて欲しいと思うのならば手を差し伸べるのが私の役目。
何よりも、私はこの世界をただ平和な方にもっていきたいだけだから。

立ち上がり、笑う。俺と同じような片目だけの目が俺を映した。


『OK、これにて謁見はしゅうりょうっつーことだ。あとで忍を送る。要求は無理がなけりゃ叶えてやるぜ、南部の爺さん。』
「何故、蒼き竜はすぐに敵に気を許す」
『あ?だってもう家族みたいなもんじゃねぇか。それに、アンタはもう折り返してんだろ。老後ぐらい面倒見てやるぜ、Yousee?』


くくっと笑って踵を返す。
そうすれば、「ホゥホゥ・・・」とまた後ろで声が聞こえたが・・・

・・・ここの兵はゾンビかってんだ、夢に出てきそうで怖い


執筆日 20130803



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