「話したいことがある。」
走らせる馬の上で、思想にふける。あの日・・・あの私だけの場所で、小十郎が半ば無理やりに突きつけた約束で会って・・・少しだけ、和解して・・・
でも、嬉しくて、手紙には「一週間後に」と記して返した。それで私は小十郎と成実と土産に、昔作った菓子をもって鷹狩り兼里帰りのノリで青葉城を出たのだ。
でも・・・どこで間違えたんだろう・・・忍が焦ったように私の元に来て、伝えたのは、絶望だった。
『父上・・・っ!!』
小さくいうのは、ずっと封印していたその単語だった。やっと分かり合えたと思った。
分かり合え、微笑みあえたのは・・・本の少し・・・もっと・・・ずっとずっと、笑いあいたかったのに・・・
成実を輝宗さまの城に使いを出して、私と小十郎は軍議を開く為に馬を走らせた
執筆日 20130606