5 / 7 よんひきめ 私の意志なんて関係ない。あの子がテニス部のマネージャーになって、数日たった。 滝があの子の自分勝手さには苦笑いをしていたけれど、変に関わってこない名前だけのマネージャーで、逆に助かってるって言ってた。 確かに中途半端に仕事をされても困るだけだもんね。 私よりもそうやって一緒の仕事をしている人たちのほうがきっと大変だもん。わがままは言えないし、そういうことなら無視しても構わないだろう。だって関わらなければいいんだもん。 本日、水曜日の朝は眠い教科ばっかりだから億劫だけど、ちゃんと授業は受ける。だって、成績落ちたら部活に出してくれないって跡部がいったしそれは嫌だし。 休み時間になって少し転寝してたら、スマホのバイブで起こされた。 パスワードを入れて開けば、一気に眠気が吹き飛んで嫌な気持ちが吹っ飛んでいく。 【いきなりわりぃ、今週の日曜日、暇?】 ねぇねぇ、四匹目の羊さん。これさ、夢落ちとかじゃないよね? *** *** *** 部活以外でめったに走ることなんてないのに、思いっきり足を動かして試合の時よりもずっとスピードを出して廊下を走った。 だってじゃないと次の授業に間に合わないC! 私が走った向かったのは跡部のいる教室で、人がいっぱいいるからぶつからないように注意して進んで、ついた瞬間、パァンッと力いっぱい扉を開いた。 「ゆめ!?」 「扉ぐらい静かに開けろよ、アーン?」 それに予想以上に驚いたのは侑士で、跡部は結構へーぜんとしてる。別に驚かす気なんてなかったC〜。ここの扉が軽いのが悪Eんだよね! 『ごめ〜ん。ねぇねぇ、跡部、今週の日曜日って部活なかったよね?』 でも、跡部が居てくれてよかった! にへらと笑って近づいていけば「ちゃんとミーティング聞いとけ、何のためのミーティングだ」と私を少し睨んだ。 仕方ないじゃん、眠いんだもん。それにちゃんと前日に練習内容は確認してるC。 「まぁ、部活はない。」 『やった〜!超うっれC!』 跡部の答えにテンション駄々上がり!ぴょんっと飛び跳ねれば金色の髪も舞う。その私の光景にクツクツと笑う跡部とぽかんとしているゆーし。 「いきなりどうしたんだ、お前が覚醒状態なんてめずらしいじゃねぇか」 『えへへ、知りたい?』 覚醒状態、というのは私のこのテンションから。肘をついて私を見る跡部にへらっと再び笑顔を向けて『デート。』とそう言った。デートだよね?だって二人で遊びに行くんだもん! そうすれば跡部は固まったように目を開いたが、「へぇ」と子供を見るような優しい笑顔をくれる。 一方ゆーしは、目を見開いて固まって、そして、なぜか回りからは叫び声 私、変なこと言ったかな? 「どぅいうことや、ゆめ!!」 眼鏡がずり落ちたゆーしが、こんなに距離が近いのに叫ぶぐらいの音量でしゃべった。まさに、鬼って感じだC。いつものポーカーフェイスはどこいったのー、でも怖くないもん。 『教えな〜E!』 ひょいっと伸びてきた手からすり抜ける。 『じゃあまた部活でね〜』 逃げ道があるうちにスルリと人並みにまぎれて逃走。後ろから跡部と侑士の声が聞こえたけど総スル〜ってことで。 『(えっと、えっとぉ・・・「日曜日、部活OFFだったよ。どうしたの?」っとこれでいいかな)』 一目のつかない場所まで走ってからスマホをいじって丸井君に返信する。 丸井君。このメールには打たないけどね、私、丸井君のこと、すっごく大好きなんだよ。 『(早く日曜日にならないかなぁ)』 何着ていこう、テニスの道具は持ってた方がいいかな。だったら動きやすい服?それとも…本当にデートなのかな。あー、ほんっとうに楽しみだC! ねぇ、4匹目の羊さん。今だけ、もう少しだけこの幸せを感じさせてください。 (うっしゃぁああ!!) (Σいきなりなんスか丸井先輩!?) (へへっわりぃ、ジャッカル、これやるよぃ) ((((((!?!?!?!)))))) (ブンちゃんが・・・お菓子を人にやっとる…) ≪≪prev ■■もどる |