『槍使いの間合いに入れるなんて光栄だな。』

「っぐ・・うぉおお!!」


押さえられたが、だが面白い。
そう感じたのは、久々だった。

私の剣の切っ先は確かに真田幸村の喉元を捕らえている

槍よりも刀は短い。
つまり間合いに入ったって言うことだ。

こいつもまだまだ育ち盛りってことか。


だが、私の言葉に簡単に踏み込んでくるとは、大分甘いんじゃねぇの?


右、左、右、左・・・・

さすが両刀ってトコだろう。




ガキンッ


左側の襟
そして兜へと走った衝撃と音。

ニッと瞬間口元を緩めた。



『かすったぐらいで気を緩めるなんて甘いな』



だが、甘い。
刀を振り上げて、そのままおろす。

間合いを取ったが、一気につめた





ドォオオオオオン




火花が散り、爆発が起こる。
多少反動で吹っ飛ばされそうになったが持ちこたえた


幾度となく刀が交わる。
だがさすがといったところだろう


ズザザザっと地面を削り、後方へと吹き飛ばされたが、一度刀を納めそして



『っ』



すべての刀を・・・6本の刀を抜いた。
後ろで驚きの声が上がるが、関係ない。


互いの刀と槍が、重なって、そして止まった。


しばらく、目があったが、右側・・・
あぁ、そうか東から朝日が昇る。

夜通しやっちまったか・・・


なんて、考えつつもバッと一度互いに距離をとって、そして踏み出した




だが



「待った!!」



目の前に、現れた影。

この朝日と同じようなそんな髪の色をした、男
両手には大きな手裏剣を持っている。



「そこまでにしといちゃくれないか、独眼竜の旦那。」

『・・・なんだ、アンタ』

「武田軍真田忍隊・猿飛佐助。
 俺様も野暮は好きじゃないんだけどさぁ・・・







 うちの本体と上杉が、もうすぐここを包囲する。」



それから、打ち切りを言われた。
小十郎に口止めはしといたが、なんでこう、横槍が入るか・・・

だが、言われたその言葉に、面白くなってきたと・・・口元を上げた。
  


「三つ巴ならいざ知らず、両軍に足並み揃えて攻められちゃ、さすがに分が悪いと思うけど・・・どう?」

『Jokeは好きじゃない。
 敵の言うことなんか、はい、そうですかなんて』

「政宗様
 ここは一度退かれるべきかと」



でも、だ・・・

小十郎に名が呼ばれてはっとした。
何故だ・・・

そう思って視線を向ければ子を諭すような・・・そんな目をしていた



『・・小十郎・・・』

「よしんば、嘘だとしても少なからず犠牲を出しましょう」

『・・犠牲・・』



だが、犠牲、その言葉を聞いて、それはいやだと、思った

もう、誰も、失いたくないんだ・・・私は・・


ため息を付いて、刀を鞘に収めた



『・・・仕方ねぇな・・・
 これからって時に仲間を失うのは痛い・・・


 真田幸村。 名前だけは覚えといてやるよ』



それに、なんだっけな、その忍はひゅーっと口笛を吹いた。
それを背にききつつ、皆の場所へと歩いた。



執筆日 20130817

prev next
((
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -