*-*Side Kojyuro*-*
崩れ落ちた政宗様を抱きかかえる。
あのころは小さく、そして頼りなかった背中はいつの間にか大きくなっていた。
だが、やりすぎてしまっただろうか…
絶望したような…この方の瞳が忘れられない…
「片倉様っ!卑怯です! けがをなさっている筆頭を!なんで…っ!」
そんな俺へとかけられるその言葉。
だが、俺を見て、その言葉は止まる。
そんなに、ひどい顔をしているだろうか…
「片倉…様…」
「…」
わずかに、呼ばれた名。
それを無視して、そっと政宗様を文七郎へと明け渡す。
あわてたように文七郎は政宗様を抱えた。
「承知いたしました、政宗様。
あの者たちはこの小十郎が、必ず取り戻しまする。」
腰に括り付けられている、6本の刀を抱え「拝借いたします」と言葉を紡ぎ立ち上がった。
後ろで、猿飛や真田が何かいっているが俺には関係はない。
今、伊達を率いるのは俺だ。
そして政宗様がかたくなに部下を喪わないと…
そう覚悟させてしまったのも俺だ。
だから、
俺があいつらを取り戻す。執筆日 20140208