『同盟?』



突然言われたその言葉に、眉間にしわが寄るのが分かった。
この男は突然何言ってんだと…



「諸国の武将を結束させようと思ってる。
 尾張の第六天魔王さんと渡り合う為に・・・」

「…」



小十郎は黙っている。
そりゃそうだろう。

奥州のことを何も知らねぇやつが言えることはない。



『…わらえないJokeだ。
 大道芸人が武将を束ねようなんて』

「政宗様。」

『なに?』



だから、そういってやったんだ。
そうすれば、突然名が呼ばれ振り返れば小十郎は何か考えているようで口を閉ざしていたが

一つ息を吐くと



「そやつ……前田家の風来坊にございます。」



まるで、最初から正体を知っていたかのようにそういった。
ヒクっと一瞬ほほがひきつってしまったが、ふぅっとたまった息を吐き出した。



『…そうか…どうりで酔狂が過ぎると思ったぜ』

「酔狂は百も承知
 だが今は、バラバラに小競り合いをしているときじゃない。

 喧嘩ってのは大がかりになるほど、蚊帳の外にいるやつのほうが見極めが利くもんだ。
 戦もそこは同じってね」



腰に手を当てて、私にそういう。
それから、ダンっと地に置かれるのはおそらく武器である超剣だろう。

よくこんなものを振り回せるなと思うが、それはおそらく私の六爪流もそうなんだろう。



「奥州の伊達に甲斐の武田、越後の上杉。
 
 それと三河の徳川で東の布陣を固める。

 できれば西国の武将とも手を取り合って織田を包囲したい。
 及ばずながら、この俺も…」

『…よく動く口だな。
 織田信長…たしかにあいつはただの人間じゃない。』


「魔王さんに会ったのかい?
 だったらわかるだろう。
 あんたほどの…」



つぶやくように動かした口。
そうすればはっとしたように前田は一歩踏み出すが、



『あいにくだけど…

 私は他人の下につくつもりはさらさらない。』



そういってその続きを封じた。



「上とか下ってんじゃない!
 俺が言いたいのはさ!」

『どうしてもっていうの?』



私の言葉に、いらだちをみせて説得をしようとしているけれど、関係はない。
魔王のことを考えるのならば、何が起こるかわからない。

もしかしたらスパイが伊達軍に混じってるかもしれない






『だったら、力ずくてやれよ、Yousee?』




だから、なるべくならここから離れたくない。



今は奥州…および東北の幸せを確実にしていきたいから



執筆日 20130825

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