「っどうしたってんだ!真田幸!」

『無駄口をたたけばその首いただきまする、』



長剣を振り回し、はじかれ、空振り、
交われは火花を散らし、それとは別の炎が舞う。

私の力ではない、


紅き焔は「真田幸」のもの。
私のものではない




「目ぇ覚ましやがれ!」

『っ!!!』



振り回されるそれを、受け止めるがそのまま後ろに飛ばされる、
はっとして顔を上げたがもう遅い、


ふりあげられた碇槍。




たんっと甲板を蹴って背後に飛ぶが、瞬間もとの場所に振り下ろされたそれ。
炎をまとい、そしてその威力をそのままに甲板を破壊した。




『っ!!』



その衝撃がそのまま身に降りかかる。
地に足がついていないため受け身も取れずに吹き飛ばされ、背後の壁にぶち当たった



『っげほ…っかは…』

「なぁ、真田よぅ、
 お前…前のほうがいい目してたぜ、」

『な、に…』



どしゃりとそのまま崩れ落ちれば、上からかけられるのはその言葉、
にらみながらその男を見れば、眉間にしわを寄せていて…



「守りたいものがあるから、お前は強かった。」

『っ守る、もの…』

「今のあんたは抜け殻だ、
 ただの器じゃねぇか…あんたは武田を守りたかったんじゃねぇのか」

『ぬけ、がら…』



なんで、なんで…?
そんな意味の分からないことを言う…

意味が分からない、



「あんたは、」

『っだまれ…』

「っアンタはただ怖いだけだろ!」

『守りたいものに裏切られた思いを貴様はわからない!
 私は、もう

















 すべてを、捨てたのだ!」




執筆日 20130914



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