水の奥であがいたところでどうせはもうもどれやしない
何もかも、猛終わりだと思ってしまえばそれでも良いと思うのだ。
私は血に餓えた魍魎
生きる意味をなくした死にたがり
誰に必要とされてなく誰にもすがれぬ愚か者
ゆえに私はかけるのだおる
命の逝きかうその戦場へと
己の身を捨てても・・・
「麒麟君・・・本当に大丈夫かい?」
『このような時に動けぬ兵など使い物にならないでしょう。
ご安心くださいませ、半兵衛様、』
生かしてくれた方々の為に私は戦うのだ
それ以上の価値はないのだ、
彼等が私に求めているのは強さなのだから・・・
軟弱な炎は必要ない
赤々しく燃えるものは強さではなく守ろうとする弱さ。
ならば、
もう、その炎もいらぬ
『死にたがりには、死にたがりの舞台を下され、』
「・・・」
『舞いましょう。
黒き兵は強さにのみその身をやいて。』
誰にも負けない、日の本一の兵
それが、彼女の名だったならば
私はソレを越すものとなればよきこと
ぶつん
どこかで、なにかが、きれるおとがした
執筆日 20130830