向かうのは安土。
半兵衛様は安芸…毛利殿のところへと行き同盟を組み島津やおそらく四国を手にするおつもりだろう。
先に関東へと戻る私はおそらく斥候としての意味も持ち…
傷をいやすという天女の削除はこれからの戦にも大きくかかわってくる。
だから、…
並走し、美しき黒髪を風になびかせる蔵に一度視線を向けるがもうすぐ日はくれる。
さすがにそろそろ野宿をするかと視線を戻しつつふと思った。
こんな夜は、何か出そうだと…
「麒麟様、ここは野党が出ますゆえ早く切り抜けましょう。」
『あい、わかった。』
ただ、走らせ走らせ、けれど
『っ…』
ずくりと、いつもの痛みが…否…
「麒麟様!?」
いつも以上の痛みが体を襲い、体が傾いてそのまま意識が遠のいていった
*-*Side Masamune*-*
『いやぁあああ!!』
悲鳴が、聞こえた。
はっとして目を見開けば、炎上する屋敷。
慌てふためく女中。
炎にまみれ火だるまになり狂ったように刀を振り回す兵士たち。
その中央に、ぼろぼろの着物を着た二つ結びをした小さな幼子がガタガタと震えている。
「こいつ、婆娑羅者だ!!」
だれかが、叫んだ。
一斉に彼女に降り注ぐのは弓矢。
やめろと叫びたかった。
だが、その前に矢がはなたれそしてその幼子へと降り注ぐ。
『っ!』
手を伸ばした、とどかない。わかっている。
彼女を守ったのは、同じ、紅。
「弁丸…大丈夫、だい・・・じょうぶ…」
やわらかく笑んだ、その人はそのまま幼子に覆いかぶさるように倒れる。
背には多くの矢を差して
『あ、に…っあに、うえ、…っ!!』
ぽろぽろと涙をこぼし、息絶えた男の体をゆする。
しかし、起き上がることなんてない。
『いや、おきて、
あにうえぇえええええええ!!!!!!!』
瞬間だった。
はじけたように飛び散る炎。
周りの人間がそれに巻き込まれ、敵味方関係なく狂ったように火が飛び散る
「姫様!!姫様落ち着いてください!!」
「やめろ!あいつは鬼だ!!」
「あんなに小さい子が苦しんでいるんです!!
姫様、ひめさまぁああ!!」
そこは早速、地獄絵図だった。
『見られましたな、幼き虎子を』
「!」
だが、気が付かなかった、
はっとして後ろを振り向けばあのBlack Night
なんだ、なんで…
『貴殿は変わられた、もう、あの子は救えない。』
「おい!」
『銀の魔女はもうすぐ_____』
ぶわり、
炎が黒を消した
執筆日 20130820