「ウォー・ダンス!!」

『はぁあ!!』



長剣を振り上げ、そして伊達政宗の刃を取らえる。
けれど…この心は欠片も滾らず…

ゆるく、目を細めた瞬間に横からの斬撃。

はっとして身をひるがえし、そして攻撃をかわすが伊達政宗の横には…片倉小十郎の姿があった。



「政宗様! この機に我らも退きましょう!」

「アァ!?」



片倉殿の言葉に、振り向き…そして武田と上杉が豊臣の包囲を逃れ撤退していくのを見た。
あぁ、この策を練ったのは片倉殿にござったか…



「Shit!」



瞬間、私ではなく…半兵衛様に打たれた雷の塊。
はっとして身をひるがえし、その雷撃を防いだ





『はぁ…はぁ…』



ズクズクと、体の芯が痛む…
雨も…まだ、夜でもないというのに…




「麒麟君。少し休みな?」



息を乱した私へとかけられる声。
本来ならば…このままかの方を追い…そして討たねばならぬ…
けれど…体は、思うように動いてはくれない・・


パサリっと顔を隠していた布が肩に滑り落ち、今までさえぎられていた風が私の顔をなでた

ヒョイッと、抱えられて、なれぬ浮遊感に晒され、けれどおかしくなった身体では動くことも出来ない。



「籠の準備を、
 麒麟を休ませる、急げ。」

『半兵衛様・・・私・・・は』

「無理をしたら倒れる。
 倒れたら、三成君や家康君が悲しむだろ?」

『・・はい…』


こうなったら、もう、逆らえぬ。
すっとかざされたて。


そのまま、瞼を覆われれば闇に包まれた私はそのまますぅっと闇に染められて、意識を手放した。







*-*Side Masamune*-*


「Shit・・・あいつ・・・」

「政宗様、いかがなされた。」


邪魔を、された。
振り上げた刀を、そのまま折る勢いで飛んできた黒。

体を隠すように覆われた布のせいで、顔は愚か男か女かさえわからなかった。

だが・・・渇きを訴えていた、この心臓が今まで死んでたみたいに動き出したのを感じた。



「・・・なんでもねぇ・・」



酷く、懐かしい感じがした。
なんだ・・・これ・・・

意味がわからねぇ・・・

あの変な衣破って顔見ればよかったと、いまさらだが・・・






何か・・・大切なことを忘れている気がする



「政宗!」



あぁだが…雪がいればそんなこと、どうでもいいか






執筆日 20130814



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