*-*Side Sasuke*-*


何でだろう。
何かが・・・おかしい。



「雪ちゃん・・・雪ちゃん・・・」



勝手に口が動く。
目の前の銀色のすがり付いている。

さっきまで独眼竜の旦那に取られてて・・・やっと手元に戻ってきた

あれ、でも、俺様なんでこんなことしてる?


あれ、あれ・・・?



「どうしたの?佐助?」



すがり付いているその手に、白い雪のような手が触れた
名が呼ばれた。


まるで解けて行くように俺様の中の疑問が溶けて行く。

あぁ、なんだろう・・・これ・・・



「お団子食べる?
 それとも槍の相手をしようか?

 あぁ、大将に会いに行こうか?」



口が「いつもあの子」に行っていたように動く。
いつものように・・・



あれ・・でも・・・



「あの子」ってだれ?




「私、政宗と佐助と小十郎さんとお団子食べたいなぁ 
 でね、奥州と同盟を組みたいの!」

「え・・・」

「だって、戦いたくないの 人殺しなんてしたくない。」



でも、言われた言葉に、またグルグルと変に疑問が渦巻く


あれ、あれれ、あんなにもあの子は独眼竜と戦うことを望んでいたのに・・・え、戦いたくない・・・?


あぁ、そうか、この子はお姫様だもんね。
大将の娘だ


あれ、でも、大将が娘のように愛していたのは・・だれだっけ・・・

あれ・・




「それに、私天女だって言ったでしょ?
 あのね、私、この乱世を終わらせる為に来たの。

 だから佐助にねお仕事、」

「俺様・・に?」

「うん、各地の武将のみんなに便りを届けて欲しい。
 甲斐武田の姫の私が、集って欲しいって。」


確かに・・・確かに・・・
あの子はこんなこと出来ない。
こんなに頭は回らない・・・


でも・・・



あれ・・・



「(俺様・・誰に・・・)」




誰に仕えてるんだっけ・・・




燃えるような、紅い衣の貴女が思い出せない




執筆日 20130527



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